第99回
第99回MURオープンゼミナール
■「被災者支援システムについて ~災害ボランティアセンターを中心として~」
阪神・淡路大震災時の問題点
・ボランティアコーディネーターの不在
⇒支援需要と支援者をつなぐ仕組みがなかった
阪神・淡路大震災以降:「災害ボランティアセンター」の設立
・社会福祉協議会などが母体
・被災者のニーズとボランティアをマッチングする仕組み
ex)拠点の確保、情報管理、資金資機材の調達
「災害ボランティアセンター」の運営 2つの事例から
①2003.7.26 宮城県北部地震
―南郷町ボランティアセンターの事例―
協働型、地元中心の運営
県内の社会福祉協議会による広域応援の試み
②2004.7.13 新潟県豪雨災害
―中之島町災害ボランティアセンターの事例―
地縁組織と連携したニーズの把握
広域的な連携による支援の試み
「災害ボランティアセンター」の今後
・ボランティアコーディネート研修
全国のNPOや専門家による企画委員会の設置運営
人材育成、研修、読本発行など
質疑
ボランティアの現地での食事・宿泊等は自己完結であり、被災地の状況等の情報を事前に収集しておくことが円滑な活動には重要である。
被災地側のボランティアの受け皿は社会福祉協議会だが、地域によって地元の住民の加盟率は異なり、費用負担状況も異なる。 それが原因で、支援を受けるにあたって地域間での軋轢が生じることはないのか。
ボランティアセンターの設立に際して費用の確保は重要な問題である。 共同募金会・ボランティア基金等からの補填をうけているものもあるが、各事例によって差があり、依然、設立のネックになる問題である。
行政との連携は、行動原理の違いから軋轢も生じやすい。 完全に行政の支援を受けてしまうと、行政の統制により柔軟な対応がとりにくくなる。そういった面も考慮すべきである。
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