第98回
第98回MURオープンゼミナール
■「伝統的町家の防火をめぐる最近の状況」 (竹内)
京町家とは?
・間口が狭く奥行きのある店舗併用住宅
・現存しているものの多くは明治大正期の建設
問題点
・京都市内の多くは準防火地域に指定されている
・防火構造でない京町家は既存不適格となる
近年の動向
・「町家ブーム」にによる京町家への注目
・居住者としても京町家の維持存続意思は高い
・2004年7月の国土交通省建築基準法告示改正
⇒伝統構法の土壁・軒裏等も建設可能
■「目標達成ツリーによる伝統的町家の防火性能評価」 (油野)
研究の背景と目的
・町家の保存と再生のため、文化と安全、利便と防災性の両立を図る
・建物の使われ方も含めた、京町家の総合的な防災性能評価を行う
京町家防災調査
・達成目標(出火防止・延焼防止・消火・避難)を定め、その達成度を評価
評価方法:ディシジョンツリーを基にしたツリー評価
評価結果:出火防止には高い性能が認められる
※京町家の特徴=職住接近:監視がいきとどく
今後に向けて
・改修で京町家が本来もつ防火要素を破壊しないこと
ex)通り庭・火袋の保全
・改修によって防火性能を向上させること
ex)軒裏・土壁の補強
質疑
町家の活用に際して用途変更が行われるなら、それに対応した法律を整備していく必要があるのではないか
一般住宅と町家の防火性能についてきちんとした認識を持ってもらうためにも、学術的にだけでなく一般的な普及・啓発を期待したい
Copyright(C) Urban Safety Management Lab.,Kobe Univ. all rights reserved.