第79回

第79回MURオープンゼミナール

日 時

内 容

場 所

2005年1月8日10:00~12:00

首都直下地震の火災危険に備える (室崎)

-阪神大震災における経験を生かす-

神戸大学COE神戸フィールドスタジオ

<神戸フィールドスタジオのご案内>

〒653-0041 神戸市長田区久保町6丁目

アスタくにづか4番館 東棟 302-2

tel:078-643-0456 (参加者 38名)

関東大震災時の火災と阪神大震災時の火災の比較

阪神で延焼が小さくすんだ理由

・風がなかったこと

・ガレキの山となったこと

・耐火造の普及

<準防火地域での延焼速度>

100m/時 以内 → 火に包まれて避難困難とならない

出火 1万世帯で2~3件(中越地震も同様)

最近の出火の特徴

通電火災 2つのパターン

電気の自動回復による火花がガス漏洩に着火する型、

電気ストーブや熱帯魚のヒーターから出火する型

耐火造からの出火も多い

(地震と火災の同時発生も念頭に置く必要がある。)

延焼 耐火造も延焼に関与

パネルの落下

かまど現象 穴が大きく空いた場合

窓から窓

死傷 大規模な広域避難地 25ha必要

(大規模なオープンスペースをつくる必要は依然としてある。)

阪神では、住宅内での死者はっせいがほとんどで、

火災に追われての死傷は無かったが、

阪神はたまたま風が弱かっただけ

市街地大火の原因(重要なものから)

① 木造密集

② 同時多発火災

③ 断水、水利不足

④ 消防の駆けつけ障害

⑤ 市民消火等の欠落

⑥ その他

①と②を重点に、③も(消火栓の専用化、耐震化など)

④ 地震時の警防計画の見直し

⑤ 2号消火栓などのハードの改良・整備が必要

(市民に道具を)

考えておかないといけない点

・災害の多様性と不確実性

・被害想定の未熟と誤謬

新 出火件数予測モデル

新 延焼モデル の開発の必要性

・火災対策の不十分さ、未発達

最新の科学を応用していない

応用する視点のまちがい(救助ロボットなど)

質疑

・川口町の密集地での火災について

→ 確率的には0のこともあり得る

→ 電気の自動回復が無かった?

・電力会社の出火防止対策について

→ 社会的要請が強ければすぐにできるはず

・海外の事例で火災があまり問題にならないのは?

→ 火災が起らないわけではないが、家屋構造で燃え広がらない

→ 石油文明度との関係 アメリカでは問題となっている

(その意味では、地震と火災の同時発生、中国などで問題となるおそれがある。)

連絡先:神戸大学北後研究室

TEL 078-803-6440

MURオープンゼミナールは、広く社会に研究室の活動を公開することを企図して、毎月1回、原則として第1土曜日に開催しているものです。研究室のメンバーが出席するとともに、卒業生、自治体の都市・建築・消防関係の職員、コンサルタントのスタッフ、都市や建築の安全に関心のある市民等が参加されています。興味と時間のある方は遠慮なくご参加下さい。

Last Updated 10/05/2019 13:48:19