第75回

第75回MURオープンゼミナール

日 時

内 容

場 所

2004年9月4日(土) 15:00~17:00

地域防災力の向上に向けたひとづくり・まちづくり

柄谷友香

(京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻助手)

<講演者からのメッセージ>

将来来るべき東南海・南海地震に対して、どのように備えればよいのか、皆様と一緒に議論できればと存じます。

神戸大学COE神戸フィールドスタジオ

<神戸フィールドスタジオのご案内>

〒653-0041 神戸市長田区久保町6丁目

アスタくにづか4番館 東棟 302-2

tel:078-643-0456

JR新長田駅から、南西へ徒歩5分。

(参加者 26名)

■将来あるべき社会への投資

いろいろな懸案への対応

トータルに克服し、その中で災害に強いまちをめざす

■社会・経済モデルへのヒント

震災から立ち直る社会

生活再建パターン(消費等の統計データのパターン)

震災のあとの生活 困難 そのあと 回復

しかし、もどれないことがある

東南海・南海地震後の社会経済への影響

物理的被害 → 人的被害、域外人口転出

→ サービス停止 GRP(地域の生産額)の低下 域内消費低下

などなど

神戸市データによるモデルの検証(産業連関表)

和歌山県での試算 → 産業の衰退(投資なしの場合)

これにたいして、投資の方法によって、回復のパターンが変わる

■安政東海・南海地震(1854)での濱口梧陵にみる教訓

過去の教訓を生かして、迅速かつ的確な判断・行動を起こす

地震・津波の再来を予見し、地域の永遠の安全をめざす

→ 広村堤防築造を中心とした「災害に強いまちづくり」

「災害以外の諸懸案とトータルで実行」

・人口流出(離村)対策 困窮者に提供

・緊急雇用対策

・税金対策

■30年先の地域防災力向上に向けて

まちづくり① 土地利用規制(安全な土地に住み続ける)

重心移動型 ←→ 従来の高地移転

まちづくり② 耐震補強(強い建物を使い続ける)

古い建物が多い地域

→ 耐震補強による被害軽減効果(シナリオ)

インセンティブ向上策

■30年先の地域防災力向上に向けて

人口が増えているところからインセンティブに投資(子孫のための投資)

<議論>

広村堤防と紡績工場の関係(昭和地震時に、紡績工場で津波で死亡)

わざと紡績工場あたりを切っていた、

そこに工場を建てたことが問題だったのではないか。

→ 地域の人と議論したとき、わざと梧陵が切ったのではなく・・・

と聞いたが、工学的に見ていかないといけない。

経済モデルについて

復興需要を考えているが、早く(人が)戻った方が、より効果が大きいのではないか。

(人口がはやくもどることの効果。)

耐震補強をすると、より、効果がでてくるのではないか。

(回復のスピード効果)

→ このモデルの問題点

その後の10年にきいてこない

産業連関表の問題(災害直後について時間毎につくる)

震災前の産業とのトレンドとの関係

地域の回復力を高めておくと、自分の力で直る

そのような力を、事前につけておく必要がある。

国が投資する話と、地域ががんばる話がある。

地域ががんばっておかないといけない。

人口が減っていく時代 どのようなまちにしていくか(都市計画)が課題

民間需要・投資をモデルに入れることは?

連絡先:神戸大学北後研究室

TEL 078-803-6440

MURオープンゼミナールは、広く社会に研究室の活動を公開することを企図して、毎月1回、原則として第1土曜日に開催しているものです。研究室のメンバーが出席するとともに、卒業生、自治体の都市・建築・消防関係の職員、コンサルタントのスタッフ、都市や建築の安全に関心のある市民等が参加されています。興味と時間のある方は遠慮なくご参加下さい。

Last Updated 10/05/2019 13:48:19