第62回

第62回MURオープンゼミナール

日 時

内 容

場 所

2003年5月10日(土曜日) 13:30~

(1)最近の避難安全性能評価事例について(吉田俊之)

(2)広島西消防署の防災計画について(室崎益輝)

神戸大学工学部3号館125室(参加25名)

最近の避難安全性能評価事例について 吉田俊之

<報告>

●防災計画のポイント

高層建築物、大空間、不特定多数、自力避難困難者の場合の実例

●避難安全性能評価の実例

最近の高層建築物の実例

順次避難の計画の説明(WTC以後のテナントへの説明)

(この場合、全館避難終了時間、約1時間40分)

高さを抑える計画の例(地上部の景観に配慮)

地下3階からの店舗 中庭をボイドにして地下3階まで

地下3階店舗部分の火災想定時、シャッターの閉鎖障害ありとして計算

コンペで当選した美術館の例(正方形に円形の部屋を多数いれたもの)

避難上、どのような考え方とするか考慮中(回遊性との関連)

<議論>

地下3階の店舗の下の駐車場の排煙は?

→ 別のルート

シャッターの閉鎖障害は自主的に考えたか

→ そう

スプリンクラーの評価は?

→ それは見ていない、信頼性の話がある 地震火災の作動信頼性

扉(シャッター)とスプリンクラーでは、どちらが信頼性が高いが、スプリンクラーの方が高いはずだが、扉が確実にしまるとしている。消防設備の効果が入っていない。逆に消防排煙が省略されてしまう傾向にある。

順次避難と一斉避難 一斉避難では群衆事故のおそれ、順次避難が実際的

災害弱者の避難に非常エレベータを使った事例は?

→事例は少ない。

→煙が入ってこないように、人が殺到しないように、誘導員を確保して、うまく計画するとよいのではないか。米国では事例が多いのではないか。

広島西消防署の防災計画について 室崎益輝

<報告>

鉄骨造、6000㎡、 外部は耐火鋼

コンペで選ばれたもの(山本りけん)

→斬新なデザイン、すきまだらけで、ガラス張り

(透明性、開放性)

更衣するところもガラス張り

シースルーのエレベーター

廊下はグレーチング

消防自動車の排気ガスが、建物中に充満する問題がある。

(排気パイプで対策している)

一般の人が自由に入っていける。4階に見学コーナーもある。

床の中に展示物

→コミュニティとの関係

外部に開放された階段を多数配置して、避難に使っている。

真ん中に吹き抜け、訓練場になっている

吹抜から見通しのできるところに事務室

講堂の床が動く(可動床)

今の法律では、このおもろろい建物ができない

法律抵触事項

耐火構造 ← 少ない可燃物が前提

竪穴区画 吹抜

階段区画 → 近くに可燃物を置かない

おもしろい点

可燃物の置き場所をきちんと設定、燃える場所と燃えない場所の区別

吹抜を外部空間として、煙の抜け道として安全化をはかっている

見通しのよさ→安全に避難できるように

<議論>

見通しがよい → 避難計算に反映も考えられる?

外壁はどこからか

ルーバーは外側、階段は屋外階段

コンペでそれは困るということはなかったか

要件にあっていた、むしろその通りできることが望まれた。

コンペで設計者の意図通りになっているか

プレイパーク状態で市民に人気がある。

デザインと防災の関連の密接

避難安全検証法は、38に比べて良くないところは

→ 危険となっている、ぎりぎりの設計となっている

連絡先:神戸大学室崎・北後研究室

TEL 078-803-6009 または 078-803-6440

MURオープンゼミナールは、広く社会に研究室の活動を公開することを企図して、毎月1回、原則として第1土曜日に開催しているものです。研究室のメンバーが出席するとともに、卒業生、自治体の都市・建築・消防関係の職員、コンサルタントのスタッフ、都市や建築の安全に関心のある市民等が参加されています。興味と時間のある方は遠慮なくご参加下さい。

Last Updated 10/05/2019 13:48:18