第262回

<第262回 神戸大学 RCUSSオープンゼミナール>

日 時:2020年11月14日(土)14時~17時

視 聴:ライブ動画配信

司 会:神戸大学都市安全研究センター教授 大石 哲

共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局

神戸大学減災デザインセンター、神戸大学未来世紀都市学研究ユニット

① 球磨川水害報告

森山聡之 福岡工業大学教授

令和2年7月豪雨における球磨川での洪水および土砂災害の調査を行った。洪水は主に人吉市と球磨村であり、従来浸からない位置にあると言われている青井阿蘇神社をはじめとする神社が被災していたことは未曾有の豪雨であったと考えられる。その青井さんが被災者への物資中継地点の役割を果たしていたことも注目に値する。また、111年間大きな被害を受けなかったくま川鉄道が被災したこともまた重要である。洪水以外にも土砂災害で破壊されている場所も多く見られ、その一因としては、従来荒れることに少なかった広葉樹林の下草や低木がシカの食害の影響で斜面崩壊を起こしたという指摘もある。いずれにせよ、今後もハードウエアの限界を超える自然災害がいずれ起こることは確実であり、ソフト防災の重要性が再確認されたと考える。今後は気象予測(降雨予測)や、実測雨量からの流出予測だけでなく、上流側の水位から下流側の水位を予測する方法を導入し3段構えの避難体制を考える必要があるだろう。

PDF形式:配布資料

📺ライブ動画アーカイブ:https://youtu.be/Q4_9MK3ODc0?t=1

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② 豪雨災害と降水システム

梶川義幸 神戸大学都市安全研究センター 特命教授

理化学研究所計算科学研究センター 上級研究員

西日本に大きな被害をもたらした平成30年7月豪雨において、総降水量が同程度であっても土砂災害件数には地域差があった。本発表では、この地域差が生じた主要因である降水システムの大きさに着目した解析結果を紹介すると共に、令和2年7月豪雨についても議論する予定である。

PDF形式:配布資料

📺ライブ動画アーカイブ:https://youtu.be/Q4_9MK3ODc0?t=5191

第262回アンケート結果(回答者数16名/参加者数72名).pdf