第244回

日 時:2019年4月20日(土)14時~17時

場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室

開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員90名)

神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740

司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦

共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局

後 援:兵庫県

内 容:

①今後西日本で起こりうる地震について

吉岡祥一 神戸大学都市安全研究センター教授

西日本は、東日本に比べて、地震の発生頻度が低く、西日本に住んでいると、ともすると地震のことを忘れがちです。本講演では、まず、西日本で起こった地震として、2016年10月21日に発生し、最大震度6弱の揺れをもたらしたM6.6の鳥取県中部地震を例に挙げ、その地震がもたらした被害と地震の概要をお話しします。また、地震のメカニズムを理解する上で必要となる地震学に関連した専門的事項について説明します。最後に、本題である、今後西日本でどのような、被害をもたらすような大地震が起こりうるかについて、地震を、1)活断層で起こる地震、2)未知の活断層で起こる地震、3)スラブ内地震、4)海溝型巨大地震、の4つのタイプに分類し、それぞれの地震について過去の事例をふまえてお話しします。

②GNSS地殻変動データにもとづく西南日本のブロック断層モデル

西村卓也 京都大学防災研究所地震予知研究センター准教授

日本全国の約1300か所に設置されたGNSS観測点により、現在日本列島で進行している地殻変動を高精度に捉えることが可能である。西南日本の地殻変動は、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う太平洋側での短縮変形が支配的であるが、内陸部や日本海側にも地殻変動速度が急変するひずみ集中帯が発見されている。このようなひずみ集中帯や内陸地震の多発帯を説明するモデルとして「ブロック断層モデル」があり、従来単一の大陸プレートと見られてきた西南日本を複数のブロックと考えてブロック断層モデルを適用することにより、観測された地殻変動をより良く説明することができる。西日本の主要なブロック境界は、別府-島原地構帯から中央構造線の四国部分を経て六甲淡路断層系、有馬高槻断層帯、花折断層を通る境界と山陰地方を通る境界があり、フィリピン海プレートと大陸プレートの相対運動は南海トラフだけではなく、これらの境界でも全体の3割程度が賄われていると推定される。

(GNSS(Global Navigation Satellite System、全地球衛星測位システム):全地球を測位対象とするシステムで、地上の現在位置を計測)