第243回
日 時:2019年3月16日(土)14時~17時
場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員90名)
神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦
共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
科研費基盤研究B「被災者支援レジーム/復興まちづくりの国際比較研究-ジェンダーの視点から」
後 援:兵庫県
内 容:
①街ができた!住民も復興の担い手だ
鈴木清美 南三陸町障がい者自立支援協議会会長/南三陸町おもちゃの図書館いそひよ代表
東日本大震災で壊滅的被害を受けた南三陸町は、『職住分離』を基本に安全安心のまちづくりに舵を切った。防潮堤や避難道、嵩上げ工事、災害公営住宅の整備など、ハード面の復興事業は概ね完了した8年目の春となった。では、人口減少や高齢化が進む田舎町で、住民はどのように生活し始めているのか?! 震災直後から懸念されていた、生業の再建、買い物や通院などの移動手段、そして福祉やコミュニティ・・・ 課題解決に取り組む一例を紹介した。
②復興と防災をつなぐ母子支援 -宮城県石巻市の経験を活かす大阪市での試み-
田間泰子 大阪府立大学人間社会システム科学研究科教授
妊産婦さんたちに災害への備えの姿勢をもっていただくことは、社会にとって非常に重要である。しかし、彼女たちへの防災教育は、「妊娠」というできごと独特の困難があって難しい状況である。本報告では、宮城県のNPOベビースマイル石巻の協力で得た妊産婦さん向け冊子を紹介し、彼女たちと阪神・淡路大震災以降の妊産婦さんの声を参考にして、大阪市内で実施している妊産婦向け防災セミナーの成果と課題について示された。
③Re:START(リ・スタート)社会ニュージーランド/カンタベリー地震後の生活再建と住宅
山地久美子 神戸大学地域連携推進室学術研究員
日本では被災者一人ひとりに寄りそう丁寧な災害支援が求められる。それを社会全体から見ると「なぜ被災者への支援を手厚くするのか」ということは明確になっているとはいえない。報告者はこの枠組みを「被災者支援レジーム」と呼ぶ。被災者に手厚い施策は重要である。だが、それは平時で展開されてこそ人々の生活の基盤を強くし、事前復興となるのではないか。本報告では2010年、11年にカンタベリー地震に見舞われた、太平洋の福祉国家であるニュージーランドの被災者支援を福祉の視点から紹介し、日本の被災者支援と社会保障の連続性についての考えが示された。
参加者:52人(北後)