第239回

日 時:2018年11月17日(土)14時~17時

場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室

開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員90名)

神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740

司 会:未定

共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局

後 援:兵庫県

内 容:

① 建物の火災安全の考え方

鍵屋 浩司 国立研究開発法人建築研究所防火研究グループ上席研究員

建物の火災安全の考え方とその仕組みについて紹介した。具体的には、高層ビルの中で火事が起きたときにビルの中の人が煙に巻かれないように安全に避難するための建物のしくみやその背景について示した。

② 地域の災害からの実効性のある安全確保の考え方~不確実性の克服のための予防的措置としての「予防的避難」~

北後 明彦 神戸大学都市安全研究センター 教授

地域における災害から安全を確保するための考え方とそのための手立てについて紹介した。その上で、本報告では、現地調査や様々な機関で行われた調査結果により西日本豪雨災害等での災害発生・避難状況を示し、頻繁な災害情報で知らされても低い確度で発生すると見積もって、浸水等の現象を見るまで避難せず、現象を見てから対応的な避難を行う人の割合が高い一方、早めの情報で予防的な避難ができているのは一部にとどまることを示した。また、岡山県高梁川流域では、浸水によりアルミ工場で爆発が発生し、一般的には予想されていない複合災害の様相となった。このように、災害をもたらす現象の発生について不確実性があるために安全を確保するための手立てが実効性のないものとなりがちであり、これを克服するためには環境政策では原則となっている予防的措置を取り入れ、「空振り」と考えずに「予防的避難」を行うことが常識となるようにすることが望まれる。さらにその場合の前提として、予防的避難に見合った避難所の整備などが課題となることを示した。

参加者:47人(北後)