第223回

■日時:2017年7月15日(土)14時~17時

■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室

■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

■共催:神戸市危機管理室、神戸市消防局、神戸大学地域連携推進室 ■後援:兵庫県

■プログラム

① 災害リスクと<home>への帰還

紀伊半島大水害・福島第1原発事故災害・広島土砂災害の被災地から

田中正人 追手門学院大学地域創造学部准教授

被災地では激しくコミュニティが流動化する。東日本大震災をはじめ多くの被災地では,災害危険区域指定や防災集団移転など,移住を前提とした制度が適用されてきた。次なる被災を避けるという点で,移住は確かに合理的な判断のように思われる。しかし一方で,甚大な被害経験と継続するリスクのもとでなお,元の居住地に還るという選択がある。それらはけっして例外的ではない。紀伊半島大水害,福島第1原発事故災害,広島土砂災害等の事例を通して,ふたたび<home>への帰還を果たした被災者の意思決定プロセスを見つめる。それを通して,住宅再建にとって避難生活とはなにか,定住の価値とはなにかを考えていただいた。

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② 台湾の大規模災害における復興まちづくりの状況と課題

邵 珮君 台湾・長栄大学副教授

台湾の災害復興の制度構築については、1999年の集集地震から始まったが、それ以後に発生した災害においてなされた復興まちづくりの経験が加えられ、復興システムが、次第にまとまってきました。本報告では、1999年の集集地震以降、風水害などの災害が起きた際に、それまでの復興システムが対応しづらかった点を明らかにしながら、現在の防災や復興システムに残る課題を示し、解決の方向性を提起していただいた。

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(第223回のオープンゼミナールは、科研費挑戦的萌芽研究「南海トラフ大地震に備えた社会学的アプローチからの住宅復興-災害公営住宅に着目して」(研究代表者 山地久美子、研究分担者 北後明彦)の研究活動の一環として実施しました。)