第219回

■日時:2017年3月18日(土)14時~17時

■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室

■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

■共催:神戸市危機管理室、神戸市消防局、神戸大学地域連携推進室 ■後援:兵庫県

■プログラム

① 雨雲内部のあられの体積量推定技術の開発による豪雨予測の可能性について-気象レーダー及び直接粒子観測機器を利用した氷粒子観測を通じて-

小川まり子 神戸大学 地域連携推進室特命助教

2008年都賀川水難事故では局地的な集中豪雨により10分間で1.34mの水位が上昇し、5名の方が亡くなられた。大雨・洪水注意報及び警報の発表に連動した回転灯を伴う増水警報システムが表六甲河川を中心に導入されたが、都賀川水難事故をもたらした局所的に突然発生・発達するような積乱雲に対しては現象そのものの予想が難しいとされ、多くの専門家によって研究がなされてきた(例えば中北ら「ドップラー風速を用いたゲリラ豪雨のタマゴの危険性予知に関する研究 」参照)。本報告では、上空のあられを含む氷粒子の分布や体積量を、直接粒子観測機器と気象レーダーを用いて推定し、雲内部の潜在的な雨量を予測しようとする取り組みについて紹介し、住民の適切な避難行動を促すための豪雨の危険性把握の可能性について考察していただいた。

PDF形式:講演内容と質疑の概要

② 地震直後のマンションにおける生活継続力の向上-評価手法の活用による改善提案事例を通じて-

村田明子 清水建設株式会社 技術研究所社会システム技術センター まちづくりグループ グループ長

大地震が発生した際、大都市では人口に対する避難所数が限られるため、多くの自治体でマンションでの生活継続が求められるようになってきた。マンションでは大地震等の災害の際に給排水や電力、情報通信といったライフラインが停止する場合があり、そこで生活を継続するには多くの困難が伴うことが考えられるので、様々な備えを行って、生活継続力の向上をはかっておく必要がある。管理組合や自治会、 自主防災組織等による日頃からの運営体制(=ソフト)ができていることがマンションでの生活継続にとって重要であり、そうした観点を含めハード・ソフトの両面を評価する手法を考案した。本報告では、この評価法とマンションでの改善提案事例について紹介していただいた。

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