第178回

■日時:2013年12月14日(土)13:00~16:00

■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室

神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740

■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

■参加者数:46人

■内容

①兵庫県佐用町の災害復興計画「きらめきプラン」について

室崎益輝 兵庫県立大学特任教授・神戸大学名誉教授

1938年の阪神大水害や1961年の伊勢湾台風などの大規模な風水害はともかくとして、被害の比較的小規模な水害では、原型復旧的な防災 工事主体の復興がはかられることが一般的で、未来社会を見据えた総合的な復興がはかられることは、珍しい。その中にあって、2009年の台風 9号後の佐用町では、災害の規模の如何にかかわらず、それが投げかけた課題に応えるという視点から「総合性を持った復興計画」をまとめあげ、 その具体化に取り組んでいる。この佐用町の実践は、今日の集中豪雨が多発する時代にあって、水害後の復興のあり方を考えるうえで、参考にすべ き点が少なくない。そこで、佐用町の災害復興計画の経緯と内容と実践を紹介しつつ、そこから学ぶべき点を提示することにしたい。

【公開資料のダウンロード】佐用復興計画(室崎益輝).pdf

②東日本大震災3年目 三陸沿岸の地域での内発的まちづくり―防災に強い基盤づくりと生活再建の狭間で―

宮定 章 まち・コミュニケーション代表理事(地域復興支援ワンストップサービス石巻センターコーディネーター)

現在三陸沿岸では、高台移転(防災集団移転促進事業)による防災に強い基盤 づくりと、被災者の生活再建が同時並行に行われている。東日本大 震災から3年 目を迎えようとする現状を報告する。石巻市雄勝町では、浸水域はほぼ全て災害 危険区域に指定され、仮に高台移転事業が順調に進ん だとして震災前の人口の 36%である。復興事業が進む中、震災前から人口減少に苦しんできた三陸沿岸の 被災者は、これからどのような暮らし方 で、地区を作っていくか懸念をかかえ ている。

東日本大震災の今の事例を通じて、18年目の阪神・淡路大震災の“復興”につい ても共に考えられる場としたい。