第150回
※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第3回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました
日時 :2011年5月28日(土)14:00~17:00
場所 :神戸大学 工学研究科 C1-301
内容:
①保育所・小学校等における幼児・生徒の津波避難誘導
-事例発生箇所の確認を通じて-ピニェイロ・アベウ
(神戸大学工学研究科建築学専攻院生)
②津波火災発生状況と消火活動・避難行動調査報告
-岩手県山田町 船越 田の浜地区を事例として-
池之内裕子(神戸大学国際協力研究科院生)
③福島原子力緊急避難における周辺自治体の対応プロセスについて
-地震発生から一次避難まで-
西野智研(神戸大学工学研究科建築学専攻)
④避難所調査からみた生活復興のための被災地支援の課題
林大造(神戸大学都市安全研究センター)
参加者:28名
①保育所・小学校等における幼児・生徒の津波避難誘導
-事例発生箇所の確認を通じて-ピニェイロ・アベウ
(神戸大学工学研究科建築学専攻院生)
保育所,小学校からの幼児・生徒の避難がうまく行われた事例、困難な状況にあった事例を現場調査で得られた現場写真等の状況から考察した。うまく避難が行われた事例では、被災前に実施された避難訓練で生じた問題を重視し、避難用カートの配備、裏山への連絡通路の整備などを行って いたことが重要であると指摘した。(記録)
②津波火災発生状況と消火活動・避難行動調査報告
-岩手県山田町 船越 田の浜地区を事例として-
池之内裕子(神戸大学国際協力研究科院生)
田の浜地区の高地移転した街区付近まで津波浸水域となったが、津波が引いた後,その浸水域の一番上側付近の3箇所から出火し延焼した。消火 活動は断水等により困難であった。そのうちの1箇所からは山林へも延焼した。林野火災は3日間続いた。その間,津波から避難していた人々は2 次避難,ヘリコプターによる3次避難という展開となった状況について報告した。(記録)
③福島原子力緊急避難における周辺自治体の対応プロセスについて
-地震発生から一次避難まで-
西野智研(神戸大学工学研究科建築学専攻)
地域防災計画に基づく行政として津波への避難対応、その後の原子力発電所の異常による避難指示の状況、避難手段の手配、避難ルートの設定、 避難先となる他市町での避難所開設要請の状況についての報告を行った。今後、住民の対応行動について調査をすすめるとともに、避難時間予測等の評価による避難路等の整備について課題を示した。(記録)
④避難所調査からみた生活復興のための被災地支援の課題
林大造(神戸大学都市安全研究センター)
規模の大小、運営者の立場等々の違いで避難所間で生活状況が大きく異なっている状況が、宮城県・岩手県の5箇所の避難所調査から判明した。うまく運営できている避難所では結果的に東北地方特有の「番屋」の仕組みとなっているのではないかとの考察があった。(記録)