第117回

第117回 RCUSSオープンゼミナール

第1回四川大地震報告会

四川省大地震調査報告

田中修平(アジア防災センター主任研究員)

四川省大地震の被災地から

吉椿雅道(CODE海外援助市民センター)

四川省大地震での日本企業被災状況とBCP

田中泰雄(神戸大学都市安全研究センター教授)

什邡 (山村) と都江堰市 (中規模の都市) における被害と復興課題

塩崎賢明 (神戸大学大学院工学研究科建築学専攻教授)

報 告

中国・四川大地震の被災地へ調査や支援に入った研究者やNPOによる報告会(都市安全研究センター主催)を、6月28日、神戸大学六甲ホールで開催し、学生及びNPO・研究・行政機関から約100人を超える人々が参加しました。

アジア防災センターの田中修平氏は、中国の国内での支援体制はしっかりと行われ、大学の研究室が、行政の職員と一緒になって、復興計画の策定を行っていることなどを紹介し、日本からは心のケアなどに関して支援を行うのが望ましいのではないかとの見解を示されました。CODE海 外援助市民センターの吉椿雅道氏は、農村部での被災地を訪問した経験から、信頼関係を築きながら被災者によりそって支援することが重要であることを示しま した。都市安全研究センターの田中泰雄教授は、被災地周辺に進出している日系企業の被害は軽微であったが、事業継続の観点から考えると従業員へのケアや事 前の防災教育などが課題であると指摘しました。工学研究科の塩崎賢明教授からは、山間部の集落では今後、移転して再建するかどうかが課題となる、都市部の マンション被害では、中国の市場経済化後の新たな所有関係が再建にどのように影響するかが課題となるとの指摘がありました。