285回 神戸大学 RCUSSオープンゼミナール開催記録
日 時:2023年2月4日(土)14時~17時
司会:北後 明彦 神戸大学名誉教授
副司会:近藤 民代 神戸大学都市安全研究センター教授
主催:神戸大学都市安全研究センター
共催:神戸大学減災デザインセンター、未来世紀都市学研究アライアンス
神戸市危機管理室、神戸市消防局、
JST 国際科学技術協力基盤整備事業2022 日本-米国研究交流 課題「沿岸域災害における居住空間変容に対する土地利用管理とランドスケープの再定義」
会 場:オンライン開催 (zoomウェビナー形式、ライブ動画視聴)
①復興プレイスメイキング(趣旨説明)
近藤民代 神戸大学都市安全研究センター教授
概要:JST 国際科学技術協力基盤整備事業2022 日本-米国研究交流 課題
「沿岸域災害における居住空間変容に対する土地利用管理とランドスケープの再定義」の助成を受けて行った成果を報告します。災害で喪失・変容した「場所」のアイデンティティを構成する物理的環境と設え、活動と行為、意味を再生・創造している東北の事例(イエガネ氏)や、被災市街地における空地を活かした米国での減災復興の事例(松下氏)です。
配布資料:なし
② 東日本大震災の災害危険区域における土地利用管理と場所づくりについて:仙台市荒浜地区を事例として
ゲゼール・イエガネ 神戸大学都市安全研究センター学術研究員
概要: 仙台市荒浜地区は災害危険区域に指定された後、土地所有権が転換され、様々な主体による空間活用を通して、場所づくりが進んでいます。長期的かつ人間を中心としたプロセスは、サードプレイスの創出と利用者の愛着を生み出すことにつながっています。ソーシャルキャピタル(参加、隣人、帰属意識、信頼、ネットワーク、互恵性)をつなぎなおし、紡ぎ出す、場所づくりの実践と意義について報告します。講演者は英語を使用しますが、共同研究者である東北大学大学院生の協力を得て、日本語に意訳してもらいます。
配布資料:なし
③ 米国ハリケーン被災地における空地を活かした減災復興について:アメリカ南部沿岸都市の事例から
松下朋子 一般財団法人都市防災研究所 主任研究員
概要:急性期を過ぎた後の水害脆弱地域において、どのような減災の取り組みが進められているのでしょうか。
ハリケーン・カトリーナの直後から、ニューオリンズで「DutchDialogues」という国際的、横断的な対話が始まっています。堤防や防潮門により水をコントロールしようとするハード対策だけではなく、いかに水と共に生きるか?-Living with Water-というホリスティックな雨水管理のアプローチの重要性が認識されています。巨大水害ハリケーンにより甚大な被害を受けたアメリカ南部沿岸の2大都市−米国ルイジアナ州ニューオリンズ市とテキサス州ヒューストン−に着目し、被災後に始まった空地の利活用<コミュニティ主導による復興プレイスメイキング>の事例について現地調査をもとに報告します。
配布資料:なし