第267回

<第267回 神戸大学 RCUSSオープンゼミナール>

日 時:2021年5月15日(土)14時~17時

司 会:橘 伸也 神戸大学都市安全研究センター准教授

視 聴:ライブ動画配信

主 催:神戸大学都市安全研究センター

共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局

神戸大学減災デザインセンター、神戸大学未来世紀都市学研究ユニット

① 富岳を用いた減災のための都市のデジタルトランスフォーメーション

大石 哲 神戸大学都市安全研究センター教授

岩外力に対して「もの」の耐力の方が上回っていることが安全の定義であった時代には,それぞれの個体を設計する際に想定外力よりも強く作っていれば事足りた。しかし,現在では災害が起こったときに衣食住ならぬ「医職住」の不足や欠落がないことが求められる「こと」の時代になってきて,インフラにもあらゆる場面での一定の機能維持が求められるようになった。そのような社会では,企業が持つ施設・人的資源の外力に対する耐力を知るためであっても,自社以外のサービスの健全性把握が必要になる.しかし,それらを平時から完全に確保するような仕組みや施設を維持することは非効率であり経営的に不可能である。そのような中では,企業の施設だけでなく関係する全ての要素を包含して計画を立てておく必要があり,そのためには複合的で広域のシミュレーションを行うことが求められる.それが都市の大規模数値シミュレーションである。現実の都市をシミュレーションするためには,現実の都市の情報が必要であり,正確には各建物や各施設の柱やはりの1本1本の断面,部材,位置,地下構造物の位置などである。データはあるがシミュレーションに活用できない障壁を下げ,都市のデジタルトランスフォーメーションを実現するための方法について説明する。また富岳を用いた防災減災研究の方向性についても説明する。

PDF形式:配布資料1

② 都市デジタルツイン技術を活用した民による国土強靭化

-自然災害への対峙的な防災・減災からの脱却ー

飯塚 敦 神戸大学都市安全研究センター教授

2016年,理研AICS@神戸において,神戸丸ごとシミュレーションが行われた.仮想空間内に神戸の街が再現された。都市デジタルツインである。これによって,多種多様な災害リスクが定量化される。一方で,企業価値の向上に非財務情報が重視されるようになってきた.都市デジタルツインにより,その企業が晒される災害リスクが具体化され,その低減への投資が企業価値の向上に結び付く構図が現れてきた。すなわち,平時の経済活動が国土の強靭化につながる図式である。この具体化を検討してみたい。

PDF形式:配布資料2

第267回アンケート結果(回答者数30名/参加者数93名).pdf