第189回

■日時:2014年11月15日(土)14時~17時

■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室

神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740

■共催:神戸市消防局

■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

■プログラム

① 災害リスク・コミュニケーションを再考する

矢守克也 京都大学防災研究所巨大災害研究センター教授

災害リスク・コミュニケーションをめぐって必ず繰り出されるいくつかの言葉がある。「正常性バイアス(正常化の偏見)」、「空振り・見逃 し」、「想定と想定外」、「安全と安心」、「正しく恐れよ」などである。しかし、これらの言葉で「わかったような気になっている」だけで、現実のベターメ ントにつながっていない場合も多いのではないだろうか。常套句による説明で事足れりとせず、より透徹した思考とそれを踏まえた解決策の提案・実行が、今、防 災・減災の分野では求められている。本発表では、この点について、発表者が東北・神戸・四国などの現場で取り組んでいる実践事例を通して具体 的に考えたい。(よろしければ、拙著「巨大災害のリスク・コミュニケーション」(ミネルヴァ書房)をあわせて参照ください。)

http://www.minervashobo.co.jp/book/b120801.html

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64107210U3A211C1MZA001/

② 電波で監視!豪雨災害。

大石哲 神戸大学都市安全研究センター教授

豪雨災害で大事なことは、現場から事前に逃げておくことである。市民の立場からは、実際にどんな気象現象が、どこで、どの程度の強さや大き さで発生しているのかを知ることが災害から身を守るために必要であろう。しかし、実際に激しい気象現象が起こっているまっただ中では、何が起 きているのかがさっぱりわからない。土砂降りの時には、雲が厚く日中でも相当暗くなるし、降りしきる雨が視界を遮る。ましてや夜になれば足下 すら見えなくなる。夜間の避難中や堤防・田畑の巡視中に流されて亡くなる事例が後を絶たないのは、誤って滑り落ちるのではなく、一面水の足下 が道なのか川なのかがわからずに、踏み出した足を流れにとられるからである。しかし、我々はテクノロジーの発展によって、もう一つの目とそれ を脳に伝える神経回路を持った。電波とインターネットである。ここでは、電波って何? から始めて、電波で雨や風や水蒸気や雷をとらえる仕組みを説明する。また、インターネットを使ってその情報を取得する方法を解説する。