| 第95回MURオープンゼミナール
日 時 | 2006年6月24日(土)14:00~16:30 | 内 容 | 「グループホーム火災について」 室崎益輝(連携教授 消防研究センター所長) | 場 所 | 神戸大学工学部 1F 創造工学スタジオ
| 参加者 | 24名 | 記 録 | 原田 曜輔 |
■「グループホーム火災」 (室崎)
- 火災件数増加
昭和50年代 50件前後、近年 100件前後
- 認知症高齢者グループホームの実態
グループホーム火災の例:やすらぎの里 平成18年、長崎、原因は不明だがライターによる着火の可能性が高い 死者7名、負傷者3名、死者はすべて入居者
- 認知症高齢者グループホームの防火管理上の課題
・防火管理者がいない ・小規模なので法的に設置が必要な消防用設備が少ない
- 認知症高齢者グループホームの防火安全対策の考え方
・「他人を預かる」ということは「家庭内の介護」とは根本的に違う ・避難許容時間(数分)と避難所要時間との関係が問題 ・構造的対策と設計的対策と管理対策の組み合わせ ・構造的措置や人的対策が困難ならスプリンクラーを設置する
- 防火安全対策
・すべての認知症高齢者グループホーム等に自動火災報知器、同通報機の設置 ・住宅用スプリンクラー設備 → 一般住宅用に開発されたスプリンクラー設備 水道直結で、水源、加圧送水装置(ポンプ)、自家発電装置設備等が不要 設備経費が現行のスプリンクラー設備の十分の一程度
質疑 各グループホームの職員の数や夜間の勤務状況は消防庁で監視するのか? 消防庁に大きな負担がかからないか? →確かに消防庁にかかる負担は大きい。 しかし火災時において一番信頼性が低いのは人間。 本当に責任を持って人の命を守るためには、 住宅用スプリンクラーの設置が1番望ましいのではないか。
水道直結のスプリンクラーでは消火に必要な十分な水圧が得られないのではないか? →確かに水道管の厚さなどは上水道が基準となっており、 火災時の事は考えられていない。 よって十分な水圧が得られない可能性も否定できない。 それに対しては定期的なメンテナンスや空き地の有無などの問題はあるが、 専用の番地ごとのポンプ室や取り付け型のタンクを設置するといった解決策がある。
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