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第92回

第92回MURオープンゼミナール


日 時2006年3月25日(土)13:30~15:30
内 容「市民消火を考慮したミクロ延焼シミュレーション」
      幾代健司(神戸大学大学院)
「地震時建物倒壊等を考慮したミクロ延焼シミュレーション」
      秋元康男(神戸大学)
場 所神戸大学工学部 1F 創造工学スタジオ
参加者13名
記 録秋元 康男


 


背景

効果的な火災安全対策を立案するためには、火災拡大のリスクを予測することが不可欠である。 そういった背景の下、京都大学防災研究所では物理的延焼シミュレーションモデルが開発された。 そのモデルに関して、地域消防力や地震による建物の構造的被害を反映した延焼性状予測が行えるように改良を試みた。



■「地震時建物倒壊等を考慮したミクロ延焼シミュレーション」 (秋元)

地震時には建物が構造的被害を受け、本来の防火性能が発揮されず、 火災が同時多発すると延焼拡大しやすいと考えられている。 そこで、地震による建物の構造的被害を反映した計算ができるように京都大学防災研究所による延焼モデルの改良を行った。 建物火災では火災の進行に伴って建物の部材が劣化する。 その部材が劣化するという現象と地震による建物の構造的被害とを等価に扱うことで、建物の地震被害をモデル化した。 また、本研究で開発したモデルを用いて、兵庫県南部地震に伴う大火(長田区高橋病院周辺火災)の検証も行った。 その結果、おおよその延焼性状が再現できた。



■「市民消火を考慮したミクロ延焼シミュレーション」 (幾代)

市街地を火災から守る対策としてハード整備だけでは限界がある。 地域住民による消火活動すなわち地域防災力も含めた市街地の防災性能評価が必要である。 京都大学防災研究所による延焼モデルは都市火災を物理現象として捉えている。 消火活動も、水分の蒸発すなわち潜熱により、火災の発熱を抑える物理現象として捉えることができるのではないか。 そういた観点から地域消防力も加味した延焼モデルの開発を行った。 ケーススタディでは、京都市東山地区を取り上げ、火災拡大を抑止する対策として消防水利増設を仮定し、その効果について検討した。



質疑
消火活動における活動限界距離はどれくらいか?
 →仮想市街地におけるケーススタディから、
   初期消火に成功する距離は70~80mくらい。
   実際に消防水利を増設する場合、どれくらいの間隔で増設していくべきか、
   それは今回開発したモデルを用いて検討していくことが可能である。

アメリカでは重点的な延焼防止対策地区において、上水道とは別に耐震化された配水管を設置している。 そういった対策も考えられるのではないか?
 →実際に何らかの対策を行う場合、その費用対効果を検討することは重要である。
   このモデルは、そういった代替案の検討にも利用できる。

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