第83回MURオープンゼミナール
日 時 | 2005年5月28日(土)14:00~15:30 | 内 容 | 減災環境設計とサスティナブルコミュニティ 室崎益輝(消防研究所) | 場 所 | 神戸大学COE神戸フィールドスタジオ <神戸フィールドスタジオのご案内> 〒653-0041 神戸市長田区久保町6丁目 アスタくにづか4番館 東棟 302-2 tel:078-643-0456
| 記 録 | 林順平 |
減災環境設計とサスティナブルコミュニティ
■阪神大震災で問われたこと ○都市空間の脆弱性 なぜ6千人もの命が失われたのか? …住宅が脆弱であったため なぜ70haもの地域が焦土と化したのか? …市街地が脆弱であったため ○都市計画の脆弱性 なぜ脆弱な空間が放置されたのか? ・・計画原理と設計理論と実行管理が欠落していたため
■J.ジェコブスの問いかけ 「アメリカ大都市の死と生(1961)」 「計画理論のおかげで、都市の欠陥地域は次から次へ拡大し衰亡していく」 …近代の都市計画論(用途純化、高度利用など)それに基づく都市環境が犯罪を誘発している ■都市リスクの増殖と環境に作用 ○被災の空間構造 3つの環境の疲弊と衰退がリスクとハザードを増殖している …地球環境、構造環境、社旗環境の疲弊 4つの環境の作用や関与がリスクとハザードを増殖している …誘発、媒介、破壊、増殖の作用 ■マルチハザードとアーバンセキュリティ ○アーバンセキュリティにおける セキュリティの重視 公衆衛生あるいは漢方医学手法の重視
■被災基盤と被災要因 ○被災の空間構造 直接要因としての要因 素因(内在環境要因)と起因(外圧環境要因) なお、素因には機会因や媒介因が含まれる 間接要因としての基盤 要因を作り出す環境としての被災基盤 なお、この基盤には、ハードウェア、ソフトウェア、ヒューマンウェアがる
■都市災害の空間構造 ○人的基盤と社会的基盤と物的基盤 ○犯罪者要因と被災者要因と機会要因 都市の放火と住宅の火災について、被災の空間構造を考えてみよう!
■減災のための環境設計 ○その有効性と限界性・・いわゆる環境決定論 ○その戦略性と戦術性・・いわゆる環境設計論 安全基盤を構築する 安全性能を内包する 持続性、多様性、文化性、生態性
■都市リスクの低減と環境の性能 ○環境の安全性能(1) 耐震性:耐火性や耐震性 緩衝性:免振性や緩和性 局限性:遮断性や鎮圧性 冗長性:多重性や補完性 復元性:回復性や再建性
■都市リスクの低減と環境の性能 ○環境の安全性能(2) 連帯性:扶助性や連携性 監視性:監視性や人目性 自律性:管理性や規範性 共存性:複合性や融合性 文化性:継承性や個別性
■減災環境設計の手順 評価と認識:アセスメントとパーセプション 構想と戦略:ビジョンとストラテジー 資源と技術:リソースとテクノロジー 融合と整合:コーディネートとデザイン 連携と共創:アクションとパートナーシップ
■環境設計の3大戦略 ○大戦略としてのサスティナビリティ(環境) グローバルプラン コンパクトシティ、スマートコミュニティ、エコハビタ ○中戦略としてのセキュリティネット(システム) ストラクチュラルプラン 人のつながり、自然のつながり、空間のつながり ○小戦略としてのスペースアビリティ(要素) コミュニティプラン 小さな公共空間
■設計規範と設計言語 ○設計規範としてのデザイン憲章 アワニー原則やニューアーバニズム憲章 ○設計言語としてのパターンランゲージ アレクサンダーのパターンランゲージ ○設計手法としての性能評価 都市レベルの性能設計論
■設計の各論 ○空間秩序の設計 自然の秩序と文化の秩序 ○空間施設の設計 耐震化と社会化 ○社会資源の設計 ソーシャルキャピタル
| 連絡先:神戸大学北後研究室
TEL 078-803-6440 MURオープンゼミナールは、広く社会に研究室の活動を公開することを企図して、毎月1回、原則として第1土曜日に開催しているものです。研究室のメンバーが出席するとともに、卒業生、自治体の都市・建築・消防関係の職員、コンサルタントのスタッフ、都市や建築の安全に関心のある市民等が参加されています。興味と時間のある方は遠慮なくご参加下さい。 |
Last Updated 10/05/2019 13:48:08 |