第222回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2017年6月10日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
■共催:神戸市危機管理室、神戸市消防局、神戸大学地域連携推進室 ■後援:兵庫県
■プログラム

① フィリピンで2013年に発生した台風ヨランダ後のタクロバン市の住宅復興とNGOの役割
  リズ・マリ 東北大学災害科学国際研究所助教
2013年11月8日に発生した台風ヨランダは、世界最大級の強さとなってフィリピンを猛烈な風とともに横断して襲来し、高潮によりタクロバン市に甚大な被害をもたらした。タクロバン市では、インフォーマルに(法的な権利なく)居住する人々のコミュニティが集中する沿岸部(スラム)での被害が甚大であった。この被害が甚大であった沿岸部のコミュニティからタクロバン市の北部への大規模移転にともなう再定住地での新しい住宅供給は、タクロバン市の復興計画の重点項目である。複数の再定住地において、様々な政府組織やNGO・支援団体が、仮設住宅や恒久住宅の供給に関わってきている。
 本研究で、過去3年間に及ぶ現地訪問と住民・利害関係者へのインタビューを通じて、住宅設計やその供給過程が、様々な組織やNGO団体の違いによってどのように影響を受けてきたのか、また、再定住の過程がどのように居住者の住宅や生活再建に影響を与えたかについて行った調査を報告していただいた。
PDF形式:講演内容と質疑の概要


② 大災害の被害額推計に関するサーベイと最近の動向
  豊田利久 神戸大学社会システムイノベーションセンター特命教授
自然災害の規模を経済的なタームで示す「被害額」に関しては、多様な定義と推計法があり、その使用に関しては専門家の間でも混乱が見られことがある。「被害額」は、被災者はもとより、行政をはじめとするすべての直接的な関係主体だけではなく、復興財政を究極的に担う納税主体、等にとっても関係する重要な概念である。
 この報告では、わが国で用いられている被災地全体におけるマクロ的な被害推計を5つのカテゴリーに分類し、その意味(定義)と推計法に関する整理・吟味・提言を行う。便宜上分類した5つのカテゴリーとは、①早期概括的被害アセスメント、②概括的直接被害アセスメント、③住家被害認定、④間接被害推計、⑤事前被害予測である。
 わが国では、②の直接被害額が実質的な予算のニーズ・アセスメントになっているが、東日本大震災後に進めている内閣府の手法の特徴と問題点を述べた。さらに、最近の外国での動向にも触れた。
PDF形式:講演内容と質疑の概要


次回のご案内

<第239回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
日 時:2018年11月17日(土)14時~17時

場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員90名)
      神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740  
案内図:http://open.kobe-u.rcuss-usm.jp/p/access.html
司 会:神戸大学地域連携推進室学術研究員 山地久美子
共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
後 援:兵庫県
内 容:
① 建物の火災安全の考え方
 鍵屋 浩司 国立研究開発法人建築研究所防火研究グループ上席研究員

 建物の火災安全の考え方とその仕組みについて紹介します。例えば、高層ビルの中で火事が起きたときにビルの中の人が煙に巻かれないように安全に避難するための建物のしくみやその背景についてお話しします。


② 地域の災害からの実効性のある安全確保の考え方~不確実性の克服のための予防的措置としての「予防的避難」~
 北後 明彦 神戸大学都市安全研究センター 教授

 地域における災害から安全を確保するための考え方とそのための手立てについて紹介します。その上で、本報告では、現地調査や様々な機関で行われた調査結果により西日本豪雨災害等での災害発生・避難状況を示し、頻繁な災害情報で知らされても低い確度で発生すると見積もって、浸水等の現象を見るまで避難せず、現象を見てから対応的な避難を行う人の割合が高い一方、早めの情報で予防的な避難ができているのは一部にとどまることを示す。また、岡山県高梁川流域では、浸水によりアルミ工場で爆発が発生し、一般的には予想されていない複合災害の様相となった。このように、災害をもたらす現象の発生について不確実性があるために安全を確保するための手立てが実効性のないものとなりがちであり、これを克服するためには環境政策では原則となっている予防的措置を取り入れ、「空振り」と考えずに「予防的避難」を行うことが常識となるようにすることが望まれる。さらにその場合の前提として、予防的避難に見合った避難所の整備などが課題となることを示す。


今後の予定のご案内

<第240回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
日 時:2018年12月15日(土)14時~17時
場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員60名)
      神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740  
司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦
共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
後 援:兵庫県
内 容:
① 歴史的町並み保存の先進事例の紹介と法制度への反映の取り組み
 水上点睛 国土技術政策総合研究所 建築研究部 防火基準研究室 主任研究官
 地域創生の政策として、地域資源である歴史的な既存建物の利活用が期待されている。しかしその多くは現在の建築基準法の要求耐火水準を満たさない既存不適格建造物であり、防火改修が必要となる場合が多い。そこで歴史的町並み保存の先進事例である、京都市祇園や佐賀県鹿島、大分県臼杵における防火対策を紹介しながら、地域の特殊が故に魅力なその文化的価値の維持と、評価手法の一般化を両立する取組について、昨今の法制度への反映を目指した動きと併せて紹介する。

② 文化財建造物や歴史的まち並みの防火・防災
 開澤 愛 東京理科大学総合研究院 教授
 文化財建造物の多くは伝統的な木造建物が多く、それゆえに建築基準法では3条1項で適用除外の措置をとっています。しかし、不特定多数の見学者や利用者のいる文化財建造物も少なくなく、保存活用計画の中では、個別に耐震、防火、避難安全の対策を立てる必要があります。本講義では、火災と消火の基礎について学ぶとともに、なぜ地域での自主防災が必要かについても語ります。

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<申し訳ありませんが、1月、2月は日程変更となりました。場所は同じです。>
※上記以降は下記の日程・場所でオープンゼミナールを開催する予定です。
●2019年1月26日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
●2019年2月23日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
●2019年3月16日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)

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