第184回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年6月21日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:54名
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

① 南海トラフ地震に伴う地震火災・津波火災の人的被害軽減に向けた研究構想
   西野 智研  独立行政法人建築研究所研究員
 2011年の東北地方太平洋沖地震に伴う津波の教訓から,陸上への氾濫を引き起こす規模の津波に対しては,避難により身を守る重要性が指摘されている。こうした巨大津波は,南海トラフ地震により近い将来にも発生することが予想され ており,これに対する早急な備えが望まれている。しかし,津波避難計画を検討するにあたっては,近年の巨大地震で経験してきた次の市街地火災による避難リスクを見落とすことはできない。
 ●沿岸部の密集市街地を燃え広がる「地震火災」とそこから発生する火災気流が,高台への円滑な避難を阻害する。
 ●津波の浸水域を燃え広がる「津波火災」が,津波避難施設に接近・延焼し,在館者が火災危険に曝される。
 地震動・津波とともに進行するこれら二種類の火災を加味して対策を講じておくには,例えば,次の異なる視点からの研究が必要であろう。
 1) 地震火災・津波火災・広域避難の同時進行を予測可能な手法を開発し,避難リスクの実態を評価することで,火災対策を含めた総合的な防災計画の検討実務を支援する。
 2) 津波火災に対する津波避難施設の安全グレードを診断可能な手法を開発し,その結果を地域住民にフィードバックすることで,安全性の高い避難施設の活用を誘導する。
 本発表では,発表者が近年取り組んでいるこれら二種類の研究について,現状の成果を概説するとともに,今後の方針や課題等の研究構想を述べる。

② 被ばく医療について 「どのように考え対応するか?」
   西山隆 神戸大学大学院医学研究科災害・救急医学講座教授
        都市安全研究センター災害救急医療学研究分野教授
 東京電力福島第一原子力発電所事故では未だ多くの住民がその被害に悩まされています。一方、全国の放射線使用事業所は6306(平成24年4月1日)あり、原子力施設の有無に関わらず今後も放射線事故の可能性を否定することは出来ません。「物事を怖がらな過ぎたり、逆に怖がり過ぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなか難しい」と言われています。これは、正しく恐れていれば心配は要らないのではなく、正しい知識を持って危険要因を減らしていくことが重要であるということです。「放射線とは何か?」「被ばく医療(対応)とは何か?」について基本的な話から新しい正しい知識を得ていただければ幸いです。

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次回のご案内

<第224回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
■日時:2017年8月19日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 大石 哲
■共催:神戸市危機管理室、神戸市消防局、神戸大学地域連携推進室 ■後援:兵庫県
■プログラム

① 2016年糸魚川市大規模火災の概要と課題
   ピニェイロ アベウ 神戸大学大学院工学研究科助教
   北後明彦 神戸大学都市安全研究センター教授
2016 年12 月22 日に新潟県糸魚川市で大規模火災が発生しました。今回の火災がどのように大火に至ったのか、どんな特徴があるのか、強風下での飛び火はどのように起こるのか、 得られる教訓と今後の課題は何かといったことについて、研究室で実施した焼け跡調査結果をベースとして、消防庁「糸魚川市大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方に関する検討会」で公開された資料、及び、5月19日に開催された日本火災学会・特別企画ワークショップでの報告内容を参考として、糸魚川市大規模火災の全体像を示したい。


② 昭和51年(1976年)10月酒田大火に学ぶ
   山本信一 元大阪市消防局(日本火災学会首都直下地震火災被害想定委員会専門委員)
平成28年(2016年)糸魚川市大規模火災から遡ること約40年前に、山形県酒田市で大規模火災が発生した。酒田大火である。当時、酒田市消防本部の風速計は瞬間風速35メートルを記録した。烈風に伴う飛び火は猛吹雪のように建物を襲い、道路を横断する火炎はゴジラの口からの火炎放射のように次々と建物を焼き尽くしていった。被災地域の周長は約2.2km、焼損面積152,105㎡、延べ1774棟が焼失、罹災所帯数1,023世帯・被災者数約3,300人であった。糸魚川大規模火災の比ではない。そこで、消防の視座から強風下の大規模火災の火災防御、並びに、減災対策について、以下の図式から考察を加え、都市大火の延焼・拡大力を防ぐ消防力の提案を行いたい。
「建築・都市計画力」+「消防力」+「自助・共助力」>「火災の延焼・拡大力」

今後の予定のご案内

<第225回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
日 時:2017年9月16日(土)14時~17時
場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員60名)
      神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
      http://open.kobe-u.rcuss-usm.jp/p/access.html
司 会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後 明彦
共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局、神戸大学地域連携推進室
後 援:兵庫県
内 容:

① 災害救助法徹底活用は地方自治体における時系列(タイムライン)災害対応の要
   田中健一 神戸大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程大学院生 
近年の災害では地方自治体の災害対応の遅れや、エリアメール等避難情報の出し忘れなど、災害発生時の地方自治体は混乱を生じ、冷静沈着な対応が出来なかったことで大きな被害が出ています。既に我が国には、タイムラインの考え方を取り入れた災害救助法という法律があり、その運用が示されています。地方自治体の災害発生時から復旧・復興時に至る全過程を網羅しており、災害救助法の徹底活用こそが被災者救済のためのタイムラインそのものだと考えています。その一例として九州北部豪雨時における朝倉市災害対策本部での様子を時系列で事例として示します。

② 災害対応のトレーニングセンターの建設・運営を考える
   沼田 宗純 東京大学生産技術研究所都市基盤安全工学国際研究センター 講師 
日本は毎年多くの災害に苦しんでいるが,「災害対応トレーニングセンター」が無いために,効率的な災害対応の実現が難しい.結果として,2016年熊本地震を例示するまでもなく,災害発生後の混乱状況の中で,多くの行政職員は何をやったらよいのかが分からない状況に陥ってしまう.一般的にこの状況は被災市町村で最も顕著であるが,都道府県や国家中央政府であっても,改善の余地は大きい.巨大地震をはじめとして,大きな災害が頻発する危険性の高い我が国において,今の状況では,効率的な災害対応は望めない.そこで災害対応のトレーニングセンターを設置することで実践的な研修を行い人材育成する仕組みを考えたい.
<参考資料>


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※上記以降は下記の日程・場所でオープンゼミナールを開催する予定です。
● 2017年10月14日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
● 2017年11月18日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
● 2017年12月 9日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
● 2018年 1月20日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
● 2018年 2月10日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
● 2018年 3月17日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)