第182回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年4月19日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:45名
■内容:

① 保育施設の市街地避難対応力に関する研究
    ピニェイロ アベウ 神戸大学都市安全研究センター 研究機関研究員
 保育施設では、歩行が困難な乳幼児を預ける施設であるため、大地震、大火、津波襲来など大規模災害時に市街地避難を行う場合、独立歩行が可能な園児は職員の誘導の下で歩行して避難させ、独立歩行が出来ない園児については、職員が背負い又は多人数用ベビーカー(バギー)を用いた搬送によって避難させる必要がある。すなわち、職員の誘導能力や搬送能力、園児の避難行動能力があいまってこそ、保育施設の避難対応を行う能力が生み出される。このようなことから本研究では、職員と園児が力をあわせて市街地避難を行う能力を取り上げ、保育施設の市街地避難対応力として定義する。本講演では、まず初めに、東日本大震災時の津波襲来から避難を行った保育施設の事例を取り上げ、迅速な行動につながった市街地避難対応力の形成過程とその有効性を示し、次に、避難開始地点から目的地までの移動に関する対応力に焦点を当て、神戸市沿岸部の保育施設における市街地避難訓練の観測調査に基づく、誘導員引率下の園児の年齢別歩行速度及びバギーを用いた避難の際の準備時間・搬送速度など、保育施設の市街地避難対応力を示す基礎データーの測定結果や課題について報告する。

② 海底における地殻活動の計測の必要性~地震予知に向けて
    阪口 秀 海洋研究開発機構、神戸大学都市安全研究センター客員教授
 1995年に、ここ神戸の地に大災害をもたらした兵庫県南部地震以来、全国に1000か所以上の高感度の地震計が設置され、我が国には世界に類を見ない地震観測網が整備されています。しかし、地震計は既に発生した地殻のずれ=断層運動から発生する弾性波の地盤での応答を記録する道具であって、そのような地殻活動が起こっていないときには何も記録されません。ところが逆に、地震計で何も記録されないときには地殻は全く活動していないかと言うと、そんなはずはありません。地殻には時々刻々と運動エネルギーや歪エネルギーや―熱のエネルギーが出入りしています。その中で、極端な歪エネルギーの放出が地震という現象をもたらすのですが、極端ではないときの地殻活動の計測を積み上げないことには、いつどこで地震が発生するのか?という疑問には答えられません。このセミナーでは、海底における地殻活動の計測について、海洋研究開発機構(JAMSTEC)でのこれまでの取り組みと、今後、神戸大学都市安全研究センターと共同で進めるプロジェクトについての紹介を行います。

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次回のご案内

<第229回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
■日時:2017年1月20日(土)14時~17時

■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後 明彦
■共催:神戸市危機管理室、神戸市消防局、神戸大学地域連携推進室、自然災害研究協議会近畿地区部会 ■後援:兵庫県
■プログラム

① 南海トラフ地震への備えについて(仮題)
  平原 和朗 京都大学大学院理学研究科教授
内閣府中央防災会議の「南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討WG」では、「南海トラフ沿いの大規模地震の予測可能性に関する調査部会」の答申を受け、現時点においては、大規模地震対策特別措置法(大震法)が前提としている確度の高い地震の予測ができないため、大震法に基づく現行の地震防災応急対策を改める必要があると結論した。またその一方で、現在の科学的知見を防災対応に活かしていくことは重要としている。これを受け、気象庁は当面の運用として、2017年11月1日より、従来の東海地域を対象とした「地震防災対策強化地域判定会(判定会)」と一体となって、南海トラフ全域を対象として地震発生の可能性を評価する「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」を開催し、「南海トラフ地震に関連する情報」を発表するとしている。大震法設立からこういった南海トラフ地震に対する考え方・防災対策の変更に至った経緯や議論についてお話します。
② 災害ケースマネジメント―被災者生活再建の困難を克服する試み―
  菅野 拓 阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 主任研究員
少子高齢化した地域社会を襲った東日本大震災。その被災地では、被災者の生活再建を促す取組、特に住宅への支援ではなく、相談支援を中心としたソフトな施策が、現在進行形で試みられています。現在進行形での試みとなってしまう理由は、日本の災害法制に今の社会状況を踏まえた福祉的なケアや就労支援といった、ソフトな施策が適切に組み入れられていないことに起因しています。このような日本の災害法制が抱える構造を読み解き、東日本大震災や熊本地震の最新の知見を踏まえ、被災者生活再建支援において求められる仕組み=「災害ケースマネジメント」について考えます。


今後の予定のご案内

<第230回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
■日時:2018年2月10日(土)14時~17時
場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後 明彦
共催:神戸市危機管理室、神戸市消防局、神戸大学地域連携推進室  後援:兵庫県
■プログラム
① 避難所からのコミニュテイ形成~「仮設住宅へとつなぐ」~
  吉村 静代 益城だいすきプロジェクト・きままに代表 /益城町仮設団地自治会連合会代表
熊本地震により被災者が集まった避難所において、被災者どうしの強いつながりができた、この避難所を大きなひとつの家族にした。わたしたちは、こうして培ったコミュニティを仮設住宅へと移行し、広げ、さらに公営災害住宅へとつなぐために活動中である。  熊本地震により益城大震災とも呼ぶべき大きな被害を受けた益城町。多くの住民が住む家を失い、避難所生活を余技なくされた。その避難所において、避難当初より自主運営をめざし動き始め、2カ月後から完全自主運営へとシフトし、都合4ヶ月の避難所生活を無事終えることが出来た。避難後、2日目に避難通路と非常口をラインテープで設置。そのことにより体育館のスペースが区画整理された。1ヵ月後に段ボールベット設営と同時に共有のスペース(コミュニティカフェきままに・キッズサロン)の2カ所を設置。そのことにより、段ボールベットの個室から外へ、被災状況や家族の事等を口にすることにより、痛みの共有が出来、みんな元気になっていった。  避難所の運営は、役割分担は一切行わずに、「できる人が、できることを、できたしこ(できた分)」をモットーに普通の「いつもの生活」を心掛けた。役割分担することなく得意分野で担ってもらうことで昼間仕事に行く人や子育て人に負担なく過ごすことができた。特別なことでなく、「いつもの生活」…「被災前の生活のリズム」に戻ることが、精神的にも落ち着くことができた。明るく楽しい避難所生活4ヶ月そのコミュニティを仮設住宅へつなぎ、今度は終の棲家になるであろう公営災害住宅へとつなぐことにより、孤立化予防につながる。

② 被災者自身の復興・減災活動とゆるやかな被災地語り部ネットワーク―阪神・淡路大震災から熊本地震まで―
  山地 久美子 神戸大学地域連携推進室学術研究員
 「語り部」とは、ある物事を後の代に伝える人々で、日本では全国の被災地に震災遺構、防災施設、自治体に所属したり、個人、仲間と独自の取組みをする「災害語り部」がいる。東日本大震災以降は、観光協会等の組織内での活動も増えていてその活動は多様化している。本報告では、国際的にみて独特な文化として捉えられる日本の被災地語り部について主に阪神・淡路大震災から熊本地震までの被災地での活動や組織、人材育成の面から現状と課題を検討する。
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※上記以降は下記の日程・場所でオープンゼミナールを開催する予定です。
● 2018年 3月17日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
● 2018年 4月21日(土)14時~17時 場所未定

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