第180回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年2月22日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:37名
■内容:

① 災害復興における参加と災害弱者の私権―東日本・アチェ・タイの制度比較
    金子由芳 神戸大学大学院国際協力研究科教授
 日本では、災害復興に関する法整備の遅れが指摘されてきた。2013年6月、東日本大震災の経験を踏まえた法的対応として、災害対策基本法改正とともに、大規模災害復興法、大規模災害被災地借地借家特別措置法、などの復興に関わる新法が導入された。これら法規はしかし、阪神淡路大震災で確立されたはずであった被災者の参加と私権保障の理念と逆行し、国主導の復興手続を定め、私権保護を狭めるものとなった。その結果、復興まちづくり事業は住民コミュニティの流出を来たし、被災者はささやかな生活基盤であった借地権・漁業権・入会権などの私権を補償なくして失いつつあるのではないか。また被災者支援制度は住宅再建資力のある被災者層に向けられ、生活再建に困難を抱える被災者層を取りこぼす制度設計ではないか。主に岩手県被災地における震災以来の継続的聴きとり調査を踏まえ、また同じ津波災害でありながらコミュニティ自治強化を図ったスマトラ津波後のアチェ、逆に日本法を取り入れ国主導手続を進めたタイ南部と対比しつつ、被災者の私権の帰趨について考えます。

② 徳島における事前復興まちづくり計画の取り組みについて
    上月康則 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部教授
    井若和久 徳島大学地域創生セ ンター学術研究員
 地域継承といった持続が危ぶまれる地域においては、些細な災害であってもまちの持続性に致命的な影響となる恐れがあります。そのような地域では、防災対策もまちの活性策として取り組む必要があり、これを事前復興まちづくり計画と呼んでいます。徳島県美波町由岐地区では、従来より自主防災の取り組みが全国的に有名な地域であったが、現在、ここで事前復興まちづくり計画の立案に向けた取り組みが始まっています。本講演では、当地区での活動、ならびに将来世代の中学生に向けた事前復興まちづくり計画を課題とする新しい学習について紹介します。

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次回のご案内

<第251回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>

※下記、いつもと違う開催場所及び開催時間となることにご留意ください。(当初、この内容については、10月に予定していましたが、台風の影響で下記の日程としました。場所の確保の理由で、元町の「こうべまちづくり会館」で開催します。)

日 時:2019年11月30日(土)13時30分~16時30分
場 所:こうべまちづくり会館2階ホール
    アクセス:http://www.kobe-machisen.jp/access/
    開場13時15分~ 先着順受付(無料、定員60名)
    神戸市中央区元町通4-2-14 TEL:078-361-4523
司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦
共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
後 援:兵庫県

① 世界の災害とNGOによる海外の被災地支援
  吉椿 雅道 CODE海外災害援助市民センター事務局長
  CODE海外災害援助市民センターは、1995年の阪神・淡路大震災(以下、阪神)の際に世界から支援をいただいたお返しに、被災地KOBEの市民が立ち上げたNGOである。阪神以降、世界では立て続けに大規模災害が発生している。CODEは、ささやかではあるが、海外の被災地で住宅再建や雇用創出などの復興支援を世界33の国と地域で行ってきた。支援プロジェクトを決定、実施に至るプロセス、支援の手法などを海外の現場の事例を交えて報告する。そしてCODEが大切にしている「学び合い」、「支え合い」、「最後のひとりまで」という理念をどのように現場の支援で実践しているのかについても語る。

② 学生ボランティアによる被災地支援の実状と現場での受け止め
  冨士原 健斗 神戸大学学生震災救援隊 副代表(学生)
 伊庭  駿 神戸大学持続的災害支援プロジェクトKonti 代表(学生) 
  東末 真紀 神戸大学学生ボランティア支援室 ボランティアコーディネーター
 神戸大学学生ボランティア支援室の登録団体(全18団体)の中から、2団体の代表である冨士原及び伊庭より、それぞれが被災地でどのようなポジションで活動を行ってきているか、そしてその成果や学生が考える課題について報告する。神戸大学学生震災救援隊は、24年前の阪神淡路大震災の際発足した団体で、発足以降神戸で様々なテーマで活動を展開し、近年では東北、熊本、西日本豪雨各被災地での支援活動を行っている。また、神戸大学持続的災害支援プロジェクトKontiは、2016年度起こった熊本地震の際、東北ボランティアバスプロジェクトで活動を展開してきた学生が立ち上げた団体で、以降熊本県西原村のほか、近年の豪雨災害での活動も展開している。
 さらに、被災地で行う学生のボランティアの同行や活動コーディネートを通じて感じた、学生ボランティアが現地に与える効果と課題を、東末から報告する。マンパワーでしか期待されてこなかった若者の層をどう参画につないできているのか、参画してみての現地の反応などをこれまでの実践から伝える。

<参考ページ>地域づくりの基礎知識4
 http://www.org.kobe-u.ac.jp/kupress/images/05saigaikara.pdf
 http://kobe-yomitai.jp/book/758/
「災害から一人ひとりを守る」北後明彦・大石哲・小川まり子編、神戸大学出版会
<第6章> p.109~p.124
 東末真紀:学生のボランティア活動 課題とこれから~災害ポランティアを通じて~
<第7章> p.129~p.150
 吉椿雅道:海外での被災地支援~声なき声に耳を傾けて~

今後の予定のご案内

<第252回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
日 時:2019年12月21日(土)14時~17時
場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員90名)
      神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740  
      MAP:http://open.kobe-u.rcuss-usm.jp/p/access.html
司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦
共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
後 援:兵庫県
内 容:
① 地域社会における災害対応のガバナンス
  
 紅谷 昇平 兵庫県立大学減災復興政策研究科准教授
 日本では、過去の災害教訓を様々な法制度に反映させ、国や自治体等においても災害対策本部等の災害対応体制や被災地への支援体制を整えてきた。それらは一定の成果を出しているが、災害時には必要となる災害対応業務に比べて、自治体の対応資源は大幅に不足することになる。地域社会全体として、災害時に備えた特別の体制を構築する必要がある。本講演では、自治体の災害対応体制を基盤にしたうえで、地域コミュニティ(自主防災組織、消防団等)やボランティア、NPO・NGO、中間支援組織など被災地を支援する体制を重層的に展開できるように、地区防災計画、都市再生安全確保計画、DCP(地域継続計画)など多様な主体が連携した「地域社会の大きな共助」に向けた取組について考えていきたい。

② 地震発生直後の被害額推計と応急対応の意思決定
  
豊田 利久 神戸大学社会システムイノベーションセンター特命教授 神戸大学名誉教授
(概要)日本では、災害対応への体制は大きな災害を経験するたびに漸次的に改訂・改正されてきた。被災者、被災地(行政、家計、企業、その他)を支援するシステムの改善は、各対応段階において有限な資源をいかに活用するか、資源が不足する場合にいかに具面するか、ということが重要なポイントとなる。特に重要な資源はヒト、カネの問題に集約される。この報告では、大震災発生後の緊急対応、復旧・復興の初期段階における対応組織の構築や予算策定のために必要な経済的被害額の推計について考える。まず、阪神大震災以後、公的な被害額推計はどのようになされてきたかを概説する。次いで、被災自治体ごとの物的ストックがハザード要因である地震動や津波によってどのように被害を受けるかをモデル化し、1980年以後の実際のデータを用いて推計した結果を示す。日本のどこで大地震が発生しても、迅速に推計結果を算出・公表して、さまざまな主体の意思決定に役立つシステム開発を進めていることをお話しする。

<参考ページ>地域づくりの基礎知識4
http://www.org.kobe-u.ac.jp/kupress/images/05saigaikara.pdf
 http://kobe-yomitai.jp/book/758/
「災害から一人ひとりを守る」北後明彦・大石哲・小川まり子編、神戸大学出版会
<第4章> p.69~p.86
 紅谷昇平:災害対応のガバナンス
<コラム> p.236~p.238
 豊田利久:阪神・淡路大震災、東日本大震災の経済被害


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※上記以降は下記の日程・場所でオープンゼミナールを開催する予定です。
2020年 1月25日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
2020年 2月22日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
2020年 3月14日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)

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