第191回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年12月20日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局  ■後援:兵庫県
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
■プログラム
① 人命救助を目指した情報配信技術の開発
   高木由美 神戸大学大学院システム情報学研究科情報科学専攻助手
         神戸大学都市安全研究センター特別研究員
 無線通信を利用した情報配信技術を、人命救助に役立てようと試みています。本ゼミナールでは、①車同士の通信ネットワークを利用した、救急 車のスムーズ な走行支援、②無線センサネットワークを利用した、建物内における災害時の避 難誘導、について紹介します。

② ICTによる防災のユニバーサルデザイン
   河村宏 DAISYコンソーシアム理事
 東日本大震災では高齢の犠牲者が顕著に多く、自治体等の調査では、障害者の死亡率も住民平均の2倍以上と指摘されています。大規模災害時に は、生死を分ける発災直後の避難等の安全確保に、外部からの救援を期待することはできません。特に自力で避難することが難しい人々にとって は、向こう三軒両隣のご近所の連携によるタイムリーな避難等の安全行動が必須です。健常だと思っていた人も、崩れ落ちた家屋の下からすぐに掘 り出してもらう必要があります。また、復興の際には、心身に新たな傷を持つ人々のリハビリテーションのノウハウが地域に必要です。人に着目す る防災のすべての局面で、障害者・高齢者を含むすべての住民の持てる力を発揮するための知恵とスキルをICTがどう支援すべきかについて、防 災とICTの活用という観点からお話しする予定です。
■主催:神戸大学都市安全研究センター
■共催:神戸市消防局  ■後援:兵庫県

第190回RCUSSオープンゼミナール

ひょうご防災リーダーOB公開講座

阪神・淡路大震災20年特別企画
自治体の災害対応の経験・教訓を「伝える」「育む」

<特別企画 第1回目> 阪神・淡路大震災から20年:「伝える」「育む」ために必要な取り組み

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■日時:2014年12月19日(金)14時~17時
■場所:神戸大学百年記念館六甲ホール(定員200名)
■主催:神戸大学都市安全研究センター、神戸大学社会科学系教育研究府
■共催:兵庫県広域防災センター、神戸市、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

<プログラム>
● 基調講演 「阪神・淡路大震災から20年を経て伝えていくことの難しさ」
  神戸大学名誉教授 兵庫県立大学防災教育センター長 室崎益輝
● 課題報告 「教訓を伝えることに関する被災自治体職員の現状認識と課題」
  三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
  防災・リスクマネジメント研究室 主任研究員 平野誠也
● 取組報告 「持続的・継続的に「伝える」「育む」ためにはじまった取り組み」
  芦屋市 都市建設部防災安全課長 柿原浩幸
● パネルディスカッション「阪神・淡路大震災の災害対応から得た「伝える」「育む」こと」
  ◆コーディネーター:
  神戸大学名誉教授 兵庫県立大学防災教育センター長 室崎益輝
  ◆パネリスト:
  神戸市 危機管理室 総務担当課長 藤重敏郎
  西宮市 都市局建築・開発指導部 開発指導課長 畑文隆
  芦屋市 都市建設部 防災安全課長 柿原浩幸

第189回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年11月15日(土)14時~17時
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
■プログラム
① 災害リスク・コミュニケーションを再考する
   矢守克也 京都大学防災研究所巨大災害研究センター教授
 災害リスク・コミュニケーションをめぐって必ず繰り出されるいくつかの言葉がある。「正常性バイアス(正常化の偏見)」、「空振り・見逃 し」、「想定と想定外」、「安全と安心」、「正しく恐れよ」などである。しかし、これらの言葉で「わかったような気になっている」だけで、現実のベターメ ントにつながっていない場合も多いのではないだろうか。常套句による説明で事足れりとせず、より透徹した思考とそれを踏まえた解決策の提案・実行が、今、防 災・減災の分野では求められている。本発表では、この点について、発表者が東北・神戸・四国などの現場で取り組んでいる実践事例を通して具体 的に考えたい。(よろしければ、拙著「巨大災害のリスク・コミュニケーション」(ミネルヴァ書房)をあわせて参照ください。)

② 電波で監視!豪雨災害。
大石哲 神戸大学都市安全研究センター教授 
 豪雨災害で大事なことは、現場から事前に逃げておくことである。市民の立場からは、実際にどんな気象現象が、どこで、どの程度の強さや大き さで発生しているのかを知ることが災害から身を守るために必要であろう。しかし、実際に激しい気象現象が起こっているまっただ中では、何が起 きているのかがさっぱりわからない。土砂降りの時には、雲が厚く日中でも相当暗くなるし、降りしきる雨が視界を遮る。ましてや夜になれば足下 すら見えなくなる。夜間の避難中や堤防・田畑の巡視中に流されて亡くなる事例が後を絶たないのは、誤って滑り落ちるのではなく、一面水の足下 が道なのか川なのかがわからずに、踏み出した足を流れにとられるからである。しかし、我々はテクノロジーの発展によって、もう一つの目とそれ を脳に伝える神経回路を持った。電波とインターネットである。ここでは、電波って何? から始めて、電波で雨や風や水蒸気や雷をとらえる仕組みを説明する。また、インターネットを使ってその情報を取得する方法を解説する。

第188回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年10月18日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
■プログラム

① 地震によるゆれのお話:島弧のゆれ方と堆積盆地のゆれ方
   筧 楽麿 神戸大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻助教
         神戸大学都市安全研究センター特別研究員
  地震によるゆれにまつわる話として、(1) 島弧(沈み込み帯に形成される弧 状の島=ここでは日本列島)特有の地下構造による変わったゆれ、(2) 大都市が 形成される堆積盆地は「大きく、長く、ゆっくり」ゆれる、という2つの話題を 紹介いたします。

② 防災行政無線が聞こえない―問題の所在と対処の方法―
   森本政之 NPO法人EFE総合研究所・神戸大学名誉教授
 スピーカからの音声情報は受け手が特別な装置を必要としないという点で極めて有効な情報伝達手段である。そのため屋外拡声システム(防災行 政無線)が多くの自治体で整備されている。しかしながら、東日本大震災後のアンケート調査によれば津波警報がはっきりと聴き取れたという回答 は約5割にとどまっている。ここでは、防災行政無線の音声情報を聴き取りにくくしている要因、研究の現状、予測手法の現状、対処の方法につい て解説する。

第187回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年 9月20日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦
■プログラム

① 分析機器の活用による火災原因調査の支援
  尾川義雄 消防庁消防研究センター危険性物質研究室主任研究官
 火災原因調査では現場の見分から多くの情報が得られ主要な調査方針が組み立てられますが、火災現場に残された物質の性状が明らかなることで、こ の調査方針の裏付けとなる場合があります。消防研究センターでは保有する分析機器を活用し、客観的な情報を得ることで消防本部が行う火災原因調査 業務の支援を行っています。今回は火災調査支援に使用する機器及びその活用事例について紹介します。
② 東日本大震災を教訓とした津波被害現場で活用する消防隊水陸両用車の開発
  久保田勝明 消防庁消防研究センター地震等災害研究室長
          神戸大学大学院工学研究科客員准教授
 東日本大震災の津波被害現場では、消防車両が進入できなかったため、救助や消火活動を行うことが困難な状況でした。そこで、消防研究センターで は、津波被害現場に侵入可能な水陸両用車をベースとした消防車両(消防ポンプ自動車、救助工作車、救急車)の開発を行っております。現在このプロ トタイプが完成したのでこれを御紹介させていただきます。

第186回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年 8月23日(土)14時~18時 ( 開場 13:30 )
■場所:神戸大学 社会科学系アカデミア館 4階 404号室
■参加者数:33名
■プログラム

① 中国四川省ブンセン大地震(2008)からの復興による集団移転事例報告
   北後明彦 神戸大学都市安全研究センター長・教授
 2014年8月12日に、四川大学-香港理工大学災害復興管理学院において、アジア 災害法ワークショップが開催され、それに続いて四川省綿 陽市北川チャン族自 治県において、四川大震災(中国名:ブンセン大地震)により集団移転した地域での視察を行う機会を得た。汶川(ブンセン) 地震震 災復興再建条例(2008年6月)によって、「地震活断層もしくは生態破壊や洪水の恐れのある地区、斜面滑落、崩壊、土石流、土地陥没などの災害 区域及び伝染病自然疫病発生地を避け(垂水英司・鄧奕訳)」るためにアセスメントが実施され、移転地を定めた。本報告では、北川チャン族自治県内で移転した数地域について紹介します。 これらの移転地では、結果的に非農地化、都市化、観光化のトレンドの中での復興となっており、地域でのヒアリングでは、自然と生きる 農村というかたちもあったのではとの声も聞かれた。
② 中国四川省ブンセン大地震(2008)から復興した地域における居住実態報告
   李 昕澤 神戸大学大学院工学研究科建築学専攻博士課程
 2008年5月、四川大震災(中国名:ブンセン大地震)により四川省では甚大な被害が生じた。被災地が広大であることから、その中には人口数十 万の都市から、山間部の集落まで含まれており、また被災住宅の形態も、一戸建ての伝統的農家から集合住宅(マンション)まで多様である。また、被 災地には少数民族の文化的伝統に由来する住宅も多数存在する。都市から農村部まで被災地における住宅の多様性を把握、また、ヒヤリング調査によ り、住民の生活がどのようになっているのか、現在、どのような問題を抱えているのか、住民の居住実態したいと思う。
③ 中国雲南地震(2014)による被害状況及び初動対応調査報告
   顧 林生 四川大学-香港理工大学災害復興管理学院執行院長・教授
 2014年8月3日に中国雲南省昭通市魯甸県で発生したマグニチュード6.5の地震によって多くの人命が失われた。多様な少数民族が住む貧 しい 地域で、土壁による耐震性の低い形式の住宅などが被害を大きくしている。中国における防災減災の研究拠点として2011年に設立された四川大学- 香港理工大学災害復興管理学院では、この地震直後から現地の被災調査に入り、被災者ニーズの把握、地域の再建のあり方等の検討を行っている。その 中心となっている顧林生教授から、現在の状況についての報告をお願いした。

第185回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年7月19日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:40名
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

①フィリピンにおける災害対応体制と災害後ニーズ評価に基づく災害復興
 2013年台風30号(ヨランダ)による被災と復旧・復興状況現地調査報告
  金子由芳 神戸大学大学院国際協力研究科教授
  北後明彦 神戸大学都市安全研究センター教授
  本荘雄一 公益財団法人神戸都市問題研究所
  豊田利久 神戸大学名誉教授

 2013年11月にフィリピンを襲った観測史上例を見ないほど猛烈な台風30号(フィリピン名ヨランダ)への災害対応、地域コミュニティ(バランガイ)における避難、及び、復旧・復興計画策定状況等について、フィリピンレイテ島及びサマール島において現地調査を実施した。2010年に大 幅な見直しのあったフィリピンの防災体制の下で、どのような災害対応が行われたのか、また、国連や世界銀行、ドナー機関等との連携により、災害後 ニーズ評価(PDNA)を通じて作成されつつあった各地の復興計画策定状況、及び、このような枠組みでの復旧・復興過程の特徴、問題点などを報告する。

第184回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年6月21日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:54名
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

① 南海トラフ地震に伴う地震火災・津波火災の人的被害軽減に向けた研究構想
   西野 智研  独立行政法人建築研究所研究員
 2011年の東北地方太平洋沖地震に伴う津波の教訓から,陸上への氾濫を引き起こす規模の津波に対しては,避難により身を守る重要性が指摘されている。こうした巨大津波は,南海トラフ地震により近い将来にも発生することが予想され ており,これに対する早急な備えが望まれている。しかし,津波避難計画を検討するにあたっては,近年の巨大地震で経験してきた次の市街地火災による避難リスクを見落とすことはできない。
 ●沿岸部の密集市街地を燃え広がる「地震火災」とそこから発生する火災気流が,高台への円滑な避難を阻害する。
 ●津波の浸水域を燃え広がる「津波火災」が,津波避難施設に接近・延焼し,在館者が火災危険に曝される。
 地震動・津波とともに進行するこれら二種類の火災を加味して対策を講じておくには,例えば,次の異なる視点からの研究が必要であろう。
 1) 地震火災・津波火災・広域避難の同時進行を予測可能な手法を開発し,避難リスクの実態を評価することで,火災対策を含めた総合的な防災計画の検討実務を支援する。
 2) 津波火災に対する津波避難施設の安全グレードを診断可能な手法を開発し,その結果を地域住民にフィードバックすることで,安全性の高い避難施設の活用を誘導する。
 本発表では,発表者が近年取り組んでいるこれら二種類の研究について,現状の成果を概説するとともに,今後の方針や課題等の研究構想を述べる。

② 被ばく医療について 「どのように考え対応するか?」
   西山隆 神戸大学大学院医学研究科災害・救急医学講座教授
        都市安全研究センター災害救急医療学研究分野教授
 東京電力福島第一原子力発電所事故では未だ多くの住民がその被害に悩まされています。一方、全国の放射線使用事業所は6306(平成24年4月1日)あり、原子力施設の有無に関わらず今後も放射線事故の可能性を否定することは出来ません。「物事を怖がらな過ぎたり、逆に怖がり過ぎたりするのはやさしいが、正当に怖がることはなかなか難しい」と言われています。これは、正しく恐れていれば心配は要らないのではなく、正しい知識を持って危険要因を減らしていくことが重要であるということです。「放射線とは何か?」「被ばく医療(対応)とは何か?」について基本的な話から新しい正しい知識を得ていただければ幸いです。

第183回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年5月17日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:36名
■司会:神戸大学都市安全研究センター教授 北後明彦

① 東日本大震災の被災自治体による独自の住宅再建支援メニューの特徴と課題
   -広域巨大災害における住宅再建支援の再構築に向けて-
   近藤民代 神戸大学大学院工学研究科建築学専攻准教授
 東日本大震災の被災地では国の被災者生活支援法を超えて、自治体が独自の住宅再建支援メニューを用意して運用しています。過去の災害における支援メニューと比べると、東日本大震災の災害の特質や地域性などを反映した独特の理念・内容になっています。岩手県および宮城県における市町村による住宅再建支援メニューの特徴や課題を解説し、将来発生することが危惧されている広域巨大災害を見据えて、どのようにして住宅再建支援を再構築していくべきかについて考えます。

関連するウェブページ
http://f-gakkai.net/modules/tinyd9/index.php?id=4
http://f-gakkai.net/uploads/gakkaishi/07-2-2.pdf

② 東京の事前復興まちづくり
   -気仙沼での復興支援も踏まえたResilientな復興主体論として-
   市古太郎 首都大学東京大学院都市環境科学研究科准教授
 東京の事前復興まちづくりは「阪神から学ぶ」取り組みの延長上に展開してきました。2001年に開始され、2014年3月時点で40地区で「事前復興まちづくり訓練」が実施されています。この間、2004年の中越地震、2007年中越沖地震、そして2011年の東日本大震災の避難生活と復旧復興からも多くのことを学んできました。今回のセミナーでは、これまでの東京の事前復興まちづくりの成果を2011年以降の新たな取り組みも交えて紹介すると同時に、Resilientな復興主体論、すなわち、住民、自治体、専門家の関係性について、特に自治体と専門家の役割論について論点を示し、ディスカッションできれば、と思います。

第182回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年4月19日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:45名
■内容:

① 保育施設の市街地避難対応力に関する研究
    ピニェイロ アベウ 神戸大学都市安全研究センター 研究機関研究員
 保育施設では、歩行が困難な乳幼児を預ける施設であるため、大地震、大火、津波襲来など大規模災害時に市街地避難を行う場合、独立歩行が可能な園児は職員の誘導の下で歩行して避難させ、独立歩行が出来ない園児については、職員が背負い又は多人数用ベビーカー(バギー)を用いた搬送によって避難させる必要がある。すなわち、職員の誘導能力や搬送能力、園児の避難行動能力があいまってこそ、保育施設の避難対応を行う能力が生み出される。このようなことから本研究では、職員と園児が力をあわせて市街地避難を行う能力を取り上げ、保育施設の市街地避難対応力として定義する。本講演では、まず初めに、東日本大震災時の津波襲来から避難を行った保育施設の事例を取り上げ、迅速な行動につながった市街地避難対応力の形成過程とその有効性を示し、次に、避難開始地点から目的地までの移動に関する対応力に焦点を当て、神戸市沿岸部の保育施設における市街地避難訓練の観測調査に基づく、誘導員引率下の園児の年齢別歩行速度及びバギーを用いた避難の際の準備時間・搬送速度など、保育施設の市街地避難対応力を示す基礎データーの測定結果や課題について報告する。

② 海底における地殻活動の計測の必要性~地震予知に向けて
    阪口 秀 海洋研究開発機構、神戸大学都市安全研究センター客員教授
 1995年に、ここ神戸の地に大災害をもたらした兵庫県南部地震以来、全国に1000か所以上の高感度の地震計が設置され、我が国には世界に類を見ない地震観測網が整備されています。しかし、地震計は既に発生した地殻のずれ=断層運動から発生する弾性波の地盤での応答を記録する道具であって、そのような地殻活動が起こっていないときには何も記録されません。ところが逆に、地震計で何も記録されないときには地殻は全く活動していないかと言うと、そんなはずはありません。地殻には時々刻々と運動エネルギーや歪エネルギーや―熱のエネルギーが出入りしています。その中で、極端な歪エネルギーの放出が地震という現象をもたらすのですが、極端ではないときの地殻活動の計測を積み上げないことには、いつどこで地震が発生するのか?という疑問には答えられません。このセミナーでは、海底における地殻活動の計測について、海洋研究開発機構(JAMSTEC)でのこれまでの取り組みと、今後、神戸大学都市安全研究センターと共同で進めるプロジェクトについての紹介を行います。

第181回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年3月29日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:38名
■内容:

① 自然災害と被災者支援
    山崎栄一 大分大学教育福祉科学部准教授
 未曽有の災害に対して、法制度はどのようにして生活保障・生活再建を支援しようとしているのであろうか。また、すべきなのであろうか。そして、われわれは、将来起こりうる災害に対してどのような備えをすべきなのであろうか。
 東日本大震災に際して行われている被災者支援法制に関する提言というのは、新たになされた提言というよりも、これまでにも絶えず問題が提起されてきたものが多い。いつまでたっても改善が見られないまま、東日本大震災を迎えた。被災者支援法制はこれまでショッキングな災害を経て成長を遂げてきたが、果たして東日本大震災を期にどこまでの成長を遂げるのであろうか。2013年6月に、災害対策基本法・災害救助法などの法改正が行われたが、あくまでも東日本大震災をベースにおいた対症療法的なモノに留まっている。
 今後は、来るべき首都直下地震、東南海・南海地震といった巨大災害に向けた法制度の設計も求められることになるが、基本的人権あるいは民主主義といった憲法価値の実現という「社会的・経済的弱者に優しい危機管理」であるとか、「地域・住民を主役にした危機管理のあり方」といった法制度の設計コンセプトも十分あり得るし、このような設計コンセプトこそが要請されているのではないかと考える。また、現段階においても、そういったコンセプトに立った法制度の運用が求められるのではないだろうか。
 本講演では、こうした新たな設計コンセプトに立った法制度をみんなで考えていく、あるいは、そういったコンセプトに立って法制度を運用してくための基本的な考え方について提示することとしたい。

② 東日本大震災の心理的影響と支援のあり方
    齊藤誠一 神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授 
 震災による心理的被害は短期間に解決するものではなく、回復に至る時間や経過には個人差も大きく、一律の心理的援助では対応が難しい。具体的には、震災トラウマやPTSDに対する個別の対応はカウンセラーなどによりなされているが、被災の程度やその受け止め方による心理的状況は異なり、また時間的経過とともに変化することから、それらに応じたタイムリーな支援が必要であるといえる。より適切な心理的支援を行っていく上で、①被災者の心理的状態を継続的に把握し、支援のあり方を提案すること,②それらの情報を蓄積し、発信していくことが重要な課題であると言える。
 神戸大学でこれまでに行ってきた阪神淡路大震災の心理的影響に関する長期的検討の集積を踏まえ、東日本大震災の心理的影響について、時間的経過とともに変化する心理的影響を被災者の視点から把握し、いま被災者がどのような心理的状態にあり、どのような心理的支援を必要としているかを明らかにし、それらを外部に的確に発信し、より適切な支援を促すことを目的として、現在、東北大学等と共同研究を実施している。
 被災者、現地派遣スクールカウンセラー、被災地学校の教員からのヒアリング、及び、アンケート調査(宮城,福島,山形,栃木,茨城)を、これまでに実施し、地震、津波、放射線被害の大きさ及びそれらの複合的状況により、心理的影響や被害が異なり、援助要請の程度や内容も異なることが明らかになった。とりわけ「被災者と特別視されたくない心理とまだ震災からの心理的影響から逃れられない状況」の葛藤的状態にあることや、被災者間でも認識や意識に大きな隔たりがあることが特徴的である。本講演では、こうした被災者心理に適合した支援のあり方を検討し、提案したい。

第180回RCUSSオープンゼミナール

■日時:2014年2月22日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740
■共催:神戸市消防局
■参加者数:37名
■内容:

① 災害復興における参加と災害弱者の私権―東日本・アチェ・タイの制度比較
    金子由芳 神戸大学大学院国際協力研究科教授
 日本では、災害復興に関する法整備の遅れが指摘されてきた。2013年6月、東日本大震災の経験を踏まえた法的対応として、災害対策基本法改正とともに、大規模災害復興法、大規模災害被災地借地借家特別措置法、などの復興に関わる新法が導入された。これら法規はしかし、阪神淡路大震災で確立されたはずであった被災者の参加と私権保障の理念と逆行し、国主導の復興手続を定め、私権保護を狭めるものとなった。その結果、復興まちづくり事業は住民コミュニティの流出を来たし、被災者はささやかな生活基盤であった借地権・漁業権・入会権などの私権を補償なくして失いつつあるのではないか。また被災者支援制度は住宅再建資力のある被災者層に向けられ、生活再建に困難を抱える被災者層を取りこぼす制度設計ではないか。主に岩手県被災地における震災以来の継続的聴きとり調査を踏まえ、また同じ津波災害でありながらコミュニティ自治強化を図ったスマトラ津波後のアチェ、逆に日本法を取り入れ国主導手続を進めたタイ南部と対比しつつ、被災者の私権の帰趨について考えます。

② 徳島における事前復興まちづくり計画の取り組みについて
    上月康則 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部教授
    井若和久 徳島大学地域創生セ ンター学術研究員
 地域継承といった持続が危ぶまれる地域においては、些細な災害であってもまちの持続性に致命的な影響となる恐れがあります。そのような地域では、防災対策もまちの活性策として取り組む必要があり、これを事前復興まちづくり計画と呼んでいます。徳島県美波町由岐地区では、従来より自主防災の取り組みが全国的に有名な地域であったが、現在、ここで事前復興まちづくり計画の立案に向けた取り組みが始まっています。本講演では、当地区での活動、ならびに将来世代の中学生に向けた事前復興まちづくり計画を課題とする新しい学習について紹介します。

次回のご案内

<第241回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
日 時:2018年1月26日(土)14時~17時
場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員90名)
      神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740  
MAP:http://open.kobe-u.rcuss-usm.jp/p/access.html
司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦
共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
後 援:兵庫県
内 容:
① ネパールにおける2015年ゴルカ地震の発生メカニズム、被害状況、及び、地震後対応の諸側面
(Origin, Consequences, and Management Aspects of Gorkha Nepal Earthquake 2015)
 T. N. マッタライ  トリブワン大学地質学部教授、神戸大学都市安全研究センター客員教授
( Professor T. N. Bhattarai, Department of Geology, TribhuvanUniversity,Kathmandu,Nepal)

 2015年4月25日(土)午前11時56分に、破壊的な地震(Mw 7.8、深度8.2 km)がネパール西部を襲った。この地震で約9,000人の死者と約2,2300人の怪我人が出た。498,852戸の住宅が全壊、256,697戸が半壊となった。また、カトマンズ盆地とその周辺の745以上の歴史的な建築物や寺院が倒壊した。さらに、数千か所に渡って土砂災害が発生し、道路、居住地、住宅、学校、病院、及び、耕作地に重大な損傷を与えた。
 講演者のマッタライ教授は、現在、ネパールの地震後に設立された復興事業に責任を負う復興庁(NRA)の運営委員会メンバーである。この講演では、地震直後の被害状況の説明とその直後の対応から得られた教訓、及び、NRAが設立された後の復興事業の完了及び進行状況を示す。最後に、社会的及び技術的な問題点について議論をしたい。
(On Saturday, 25 April 2015 at 11:56 local time, a destructive earthquake (Mw 7.8, hypocenter: 8.2km deep) struck western Nepal. The earthquake caused about 9000 casualties and 22,300 injuries. A total of 498,852 houses were fully collapsed and 256,697 houses were partly damaged. About 7,000 schools were collapsed. 745 monuments in and around the Kathmandu Valley were also damaged. In addition, thousands of landslides also occurred which significantly damaged highways, settlements, residential buildings, schools, hospitals, and cultivated lands.
 The presenter is currently serving as a member of Steering Committee of the National Reconstruction Authority (NRA), the sole responsible organization for all the post-earthquake reconstruction works in Nepal. The presentation gives an account of the challenges faced, and lesson learned immediately after the earthquake. It will then highlight the completed and on-going reconstruction activities undertaken by the NRA. The major social and technical issues being immersed will also discussed.)
(①は、②のDr.T.N.Lohaniが日本語に訳します。)

② 2015年ゴルカ地震から分かる災害軽減策推進上の課題:発展途上国の現実は? 
  (Implementation challenges of disaster mitigation understood from 2015 Gorkha Earthquake: How different are the realities of developing countries?)
 Dr.T.N.Lohani 技術専門職員,都市安全研究センター技術専門職員

 自然災害は予めの情報を得て起こることはないと誰もがわかる。従って、どんなタイプ・スケールの災害にも対応できるように備えるしか選択肢がない。しかし、新たな対応への試みは追加的な財源が必要だが、発展途上国には財政上の限界がある。特に、開発途上国には最低のインフラとかも整ってない状態では、災害対策の準備は難しい。ネパールの場合でも、政府はかなり以前から5箇年の開発計画や10箇年の開発計画を作成してきているにもかかわらず、必要なインフラがまだできてない。2015年の地震でも、奥地への道路環境が悪いためアクセスしにくく、また、医療施設等の不備により、山間部の村での人的被害が増えたと言える。2015年の地震は、過去の発生傾向から見て近い将来に起こると専門家によって予測されていた地震に該当するが、この地震への準備が不十分だったことが被害規模から見てわかる。住宅・内政省内には救援活動について対応する組織があったが、災害対策サイクル全体を責任をもって対応する組織はありませんでした。では、このような欠点はすべて無くすことができるか?災害後の理想的な対応手順はどのようなものでしょうか? 2015年のゴルカ地震に関連する問題を中心に説明します。
(Everybody knows that natural disasters do not occur with pre-information. So, there is no alternative of being prepared for any type of disaster. However, every new effort necessitates an additional budgetary requirement that developing countries are not always prepared with. In Nepal’s case too, there are enough reasons to say that difficulties in accessing remote sites due to poor road networks, poor health facilities had increased the human casualties figure although Nepalese government is preparing many 5-year and 10-year development plans since very long. The 2015 earthquake was an expected event by the experts on looking the past recurring interval but insufficient preparation can be understood from the large scale of earthquake damage. There was just a unit inside the Ministry of Housing and Internal Affairs (MoHA) to look on the relief works and no any responsible organization was working on disaster mitigation cycle as a whole. Can all such shortcomings be fulfilled? What could be the ideal aftermath scenario of disasters? Issues relevant with 2015 Gorkha Earthquake and Nepal will be covered.)


今後の予定のご案内

<第242回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
日 時:2019年2月23日(土)14時~17時
場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
     開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員60名)
      神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740  
司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦
共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
後 援:兵庫県
内 容:
① 液状化被害を知る・防ぐ
  -被害を受けやすい土地の見分け方と被害への備え-
 若松 加寿江 関東学院大学 防災・減災・復興学研究所研究員(元 理工学部教授)
 地盤の液状化による被害は、毎年のように日本のどこかで起きています。昨年9月の北海道の地震では、札幌市などのベットタウンで液状化が起こり、多数の住宅が被害を受けました。1995年の阪神・淡路大震災では神戸から大阪にかけての地域で液状化が広範囲に発生し、神戸港が壊滅的な被害を受けました。液状化は、急傾斜地で起きる土砂災害など異なり、脅威の対象が普段見えません。それだけに被災者にとっては「晴天の霹靂」の災害です。
 講演では、地盤が液状化するとどんな被害を受けるか、どんな土地が被害を受けやすいか、を解説すると共に、液状化被害を防ぐための対策や日頃の備えについてお話しします。


② 未定

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<申し訳ありませんが、1月、2月は日程変更となりました。場所は同じです。>
※上記以降は下記の日程・場所でオープンゼミナールを開催する予定です。

●2019年3月16日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)

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