【第146回】2011/1/22 大規模イベントの高密度群集滞留の予見が出来なかった要因対策としての群集流動と警備対策に関する研究(貝辻正利 | 神戸大学工学研究科博士課程)

明石大蔵海岸で開催された明石海峡世紀越えイベント「ジャパン・カウントダウン2001」で、会場と最寄りのJR朝霧駅を結ぶ朝霧歩道橋で雑踏事故寸前の高密度群集滞留が発生した。緊急警備措置の結果雑踏事故は回避されたが、この世紀越えイベントの約7ヶ月後に同じ場所で開催された明石市民夏まつりで歩道橋雑踏事故が発生している。そこで本研究は、世紀越えイベントの開催実態を分析することにより、高密度群集滞留の予見及び高密度群集滞留危機を回避出来なかった要因を明らかにすることを目的とする。

分析の結果、歩道橋での高密度群集滞留を予見出来なかった要因は、イベント構成主体をはじめ警察、消防、行政が、安全対策に関する各種情報を共有し、開催現場実態に基く会場適正など、警備対策をイベント総合対策と位置付けた検討と危険抽出による危険認識を共有しなかったことが要因である。

また、歩道橋での高密度群集滞留危機を回避出来なかった要因は、総合安全対策検討欠如等に起因する警備計画の検討不足、警備本部の機能不全及び警察との連携不足の可能性が大きい。しかし、早期に二次導線迂回措置や帰路一方通行を実施しても、歩道橋の目隠しなどの滞留防止措置がなかったため花火打ち上げ時の群集滞留と混雑範囲の拡大は回避出来なかったと推定される。


第146回RCUSSオープンゼミナール


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次回のご案内

<第232回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
■日時:2018年4月21日(土)14時~17時
■場所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
■司会:神戸大学都市安全研究センター センター長・教授 長尾 毅
■共催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
■後援:兵庫県
■プログラム

① 地域における津波時の避難誘導のあり方ー東日本大震災での経験から考える
  北後明彦 神戸大学都市安全研究センター教授
 これまでの津波や今後の南海トラフ巨大地震等が発生した場合の津波からの避難においては、①津波発生情報の避難対象者への伝達と避難誘導、②避難対象者の津波への認識と対応行動、③車避難による交通渋滞発生、④避難経路途上の建築物・橋梁などの地震被害による通行障害、⑤夜間に津波が発生した場合の避難誘導、⑥避難行動要支援者の避難行動支援などが課題となる。本講演では、東日本大震災での津波を経験した要配慮者利用施設や対応にあたった消防団等への聞き取り調査の結果等を紹介しつつ、地域における避難誘導のあり方について示す予定です。

② 災害後の高齢化地域での回復力ー東日本大震災から7年の気仙沼市鹿折の現況(仮題)
  吉田千春 元気仙沼市鹿折まちづくり協議会地域活性化支援員
 東日本大震災から8年目を歩みだしました。私の生活する宮城県気仙沼市鹿折地区は震災前から過疎高齢化地域でした。東日本大震災では火災、津波、主要産業の水産業を中心とした産業がダメージを受け三重苦の被害と評されました。震災後の地域は更に分断、高齢化の加速、過疎化という三重苦を更に背負うことになりました。ハード面回復は進められても、地域を構成する人、人の心の復興はなかなか進んでいないのが現状です。地域のリジリエンスのエネルギーについてお話できればと思います。



今後の予定のご案内

関連する催しのお知らせ

<日本科学者会議兵庫支部フォーラム>
日 時:2018年5月12日(土)13時30分~
場 所:神戸市勤労会館(三宮)講習室403
内 容:記念講演「神戸、この100年間の災害と復興の歴史」
    室崎益輝 兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長




その後のオープンゼミナールの予定
 一昨年8月の台風10号による水害で岩手県岩泉町の要配慮者利用施設での被災で深刻な人的被害が発生したことを契機とする昨年の6月の水防法・土砂災害防止法の改正により、全国の浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の市町村地域防災計画で示された要配慮者利用施設の管理者等は、豪雨時等の避難が必要な際に備えて、各施設ごとに避難確保計画の作成や避難訓練を実施することが義務となりました。神戸市では、危機管理室が主導して各部局と連携して要配慮者利用施設における安全確保を図るとのことです。そこで、5月~7月のオープンゼミナールでは、避難確保計画作成のポイントと避難に係る時間算出、洪水リスクや土砂災害リスクの把握と避難方法の選択、情報を活用した避難開始のタイミング、及び、情報連絡等の留意事項等について各分野から情報提供を行うとともに、計画のあり方についてオープンゼミナール参加者の皆様と議論をして、これらの施設や周辺地域における防災対応力の向上に資することを目指したいと考えています。施設関係者や周辺にお住いの方々をはじめ、ご関心のある皆様方のご参加をお待ちしています。

<第233回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
●2018年5月19日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
①法改正による要配慮者利用施設における避難確保計画策定等の義務化に係る対応(仮題)
 星野誠治 神戸市危機管理室 危機対応担当課長
②要配慮者利用施設における避難確保計画作成のポイント
 北後明彦 神戸大学都市安全研究センター教授
③要配慮者利用施設における洪水リスクの把握と避難方法の選択(仮題) 
 小林健一郎 神戸大学都市安全研究センター准教授

<第234回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
●2018年6月16日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
①要配慮者利用施設における土砂災害リスクの把握と避難方法の選択(仮題)
 沖村孝 神戸大学名誉教授、(財)建設工学研究所常務理事
②雨量レーダー等から得られる情報を活用した避難開始のタイミング判断(仮題)
 大石 哲 神戸大学都市安全研究センター教授

<第235回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
●2018年7月14日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
① 要配慮者利用施設における避難確保計画作成上の留意事項(仮題) 
 宇田川 真之 東京大学大学院情報学環 総合防災情報研究センター 特任助教
②風水害に対応した要配慮者利用施設における避難のあり方(仮題)
 牛山 素行 静岡大学 防災総合センター 教授
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※上記以降は下記の日程・場所でオープンゼミナールを開催する予定です。
●2018年8月18日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
●2018年9月15日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)
●2018年10月20日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)

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