【第156回】2011/12/17 ①東日本大震災における被災者の生活再建や地域復興に関する調査報告(林大造 | 神戸大学都市安全研究センター特任講師)

 <報告の概要>

都市安全研究センターの震災支援調査活動の一環として実施された、三陸海岸沿岸の岩手県山田町・大槌町、宮城県南三陸町・女川町における被災者の生活再建や地域復興に関するアンケート調査の結果についての報告をいただいた。調査票は避難所及び仮設住宅に配布され、回答は世帯主に依頼された。回収期限は7月18日、配布数は3295通、回収数は912通、回収率は27.6%となった。

震災発生前に住んでいた地区からの移転の意向について尋ねたところ、約5割は「同じ地区に住み続けたい」、約2割は「地区外に移転したい」、約3割は「決めることが出来ない」との回答を示した。この割合は、地域別での回答集計に対しても極端な違いはなく、ほぼ一貫した傾向が見られた。なお、同じ地区に住み続けたい理由としては、主に被災前からの暮らし、住民同士の絆や漁村に関する仕事の継続等が挙げられた。地区外に移転したい場合は、命や財産を守るのため、心情的に住み続けられない、子供や家族の将来のため等が主な理由として挙げられた。また、移転の意向について決めることが出来ない主な理由としては、行政による移転に伴う補償や支援がどの程度かが決まっていない事、津波浸水地域での住宅の再建がどの程度危険なのかが分からない事等であった。

今後の住まいの見通しについて尋ねたところ、7月の段階で「自力で住宅再建」と回答した世帯は67世帯(約1割)のみであった(その他9割は仮設住宅に応募中・入居決定等と回答した)。その内、65世帯の住宅は津波で流失・損壊しているが、42世帯が「同じ地区に住み続けたい」との意向を示した。甚大な被害を受けているが、自力再建の意向がある場合、地区外に移転する傾向は少ないと見られた。

世帯主の従前職種別での地区転居に関する意向については、「養殖漁業」や「採捕漁業」の場合、それぞれ約7割が「同じ地区に住み続けたい」と回答しており、職住接近を重視した上で、同じ地区で再建を希望する世帯の割合が最も多い職種である(「水産流通・加工業」の場合は約5割、「派遣・アルバイト」「会社員」の場合はそれぞれ約4割が「同じ地区に住み続けたい」と回答した)。

住宅の高台移転の志向について尋ねたところ、地区移転の意向が「同じ地区に住み続けたい」である場合、約4割が「近隣の後背地への分散型高台移転」(以下、近隣・分散型移転)、約3割が「少し遠くても広大な高台への集結型高台」(以下、広大・集約型)を支持している。一方、移転の意向として「地区外に移転したい」と示している世帯の場合、住宅の高台移転の志向については、「近隣・分散型」と「広大・集約型」の双方に平等に約5割の支持が見られた。地区移転に関する意向が決めることが出来ない場合の世帯については、「近隣・分散型」と「広大・集約型」の双方に平等に約4割の支持が示された。

また、事業者に対して、事業の再開状況を尋ねたところ、約15%が「すでに再開している」、約8%が「再開を予定している」、約50%が「再開の時期は見確定である」、約28%が「廃業した」と回答した。事業を再開する上で課題となっていることについて尋ねたところ(複数回答)、約55%は「設備の復旧」、約37%は「資金の不足」を示しており、いずれも各再開状況で共通する問題である。次いで、約33%は「事業場所」、約20%は「復興計画」に関する問題を挙げており、これらの課題は主に再開を予定している場合(再開時期が見確定である場合も含む)に多く見られる。また、廃業している場合は、「復興計画」を除き、上記の課題に加えて「後継者問題」が挙げられた。約13%の事業者が「後継者問題」を認識しているが、その内11%は廃業している事業者に該当する。一方、すでに再開している場合、「従業員確保」という、他の再開状況では見られない課題が浮上した。この課題を認識している事業者は約3%のみであるが、「すでに再開」と示している場合の事業者の内、約9割が認識してる課題である。
事業の再開状況別で、地区移転の移転について「同じ地区に住み続けたい」と回答した割合を見ると、すでに再開している場合は約46%、再開を予定している場合は76%、再開の時期は見確定である場合は約65%、廃業した場合は57%であった。ここでは、震災前から事業をしている場合、同じ地域に住み続けたいとの意向が比較的に高くなる事が明らかになった。

最後に、住宅の所有形態について尋ねたところ、約7%が「借地借家」、約3が「借地・持家」、約83%が「特地・特家」、約2%が「民間住宅」、約4%が「公的住宅」、約1%がその他との回答を示した。所有形態別で、地区移転の移転について「同じ地区に住み続けたい」と回答した割合を見ると、「借地借家」の場合は46%、「借地・持家」の場合は27%、「特地・特家」の場合は52%、「民間賃貸住宅」の場合は19%、「公的住宅」の場合は43%、「その他」の場合は67%であった。


<第156回オープンゼミナール>
日時:2011年12月17日(土)14:00~17:00
場所: 神戸大学工学研究科 C1-301
内容:
神戸大学都市安全研究センター特任講師 林大造
新潟大学災 害・復興科学研究所 特任准教授 福留邦洋
参加者:26人 (北後)

【第156回】2011/12/17 ②宮城県女川町における復興計画策定について (福留邦洋 | 新潟大学災害・復興科学研究所特任准教授)

女川町の復興計画策定委員会での検討状況、地域での生業やコミュニティとの関係での復興のあり方など報告していただきました。

<発表の概要>
東日本大震災による女川町の被害状況,復興計画策定委員会での検討状況,地域での生業やコミュニティとの関係での復興のあり方などについて報告があった.
最大震度6弱の地震に襲われた女川町には,15mを超える大津波が到達しており,およそ320haが浸水した.中心市街地では3階建てまでの建物が水没し,ほとんどの建物が流された.津波は15m以上の斜面を超え,高台にある市立病院の1階部分まで来襲し,避難に遅れた在館者が犠牲となった.また,3階建ての行政庁舎にいた職員は,屋上まで避難して助かっているが,行政の基礎的なデータが津波で失われており,復興計画では,次の災害に備えて,電子データのバックアップを本庁舎以外でも確保する取り組みが検討されている.また,町全体の人口の8%の住民が死亡・行方不明者となっており(2011年8月3日の時点で526名),女川町の死亡率は宮城県内でもっとも厳しい数値である(阪神・淡路大震災に伴う東灘区や長田区の死亡率約1%未満を大きく上回る).
甚大な被害の背景として,海岸の見えない内陸までの津波の来襲が挙げられた.津波は女川を沿って海岸から2km以上の内陸まで遡上しており,町丁目別での死亡率を見ると,湾に面する各町内での死亡率は,最悪の場合最大20%まで限られているが,内陸部分では死亡率が20%を超える町内が点在する.今後の詳細な分析等が必要であるが津波に対する認識の違いが影響した可能性があろう.建物の被害状況についても,2,937棟の住宅(町の6割以上)が全壊しており,阪神・淡路大震災や中越沖地震の被害状況を超えている.RC造の建物が津波によって根元から横転しているケースが確認されており,女川町では南三陸町や名取市等での被害形態とは異なる被害が比較的多く発生した.
女川町の復興計画策定は5月1日に開始し,9月に計画の確定が行われた.策定委員会の構成については,中越沖地震や阪神・淡路大震災の体制とは異なる部分がある.女川町の復興計画策定委員会の場合,宮城県の次長が委員に参画し,国土交通省の課長補佐等もオブサーバとして(一部,実質委員に近い形で)参加しており,策定過程において県・国の方針との連動が多く見られた.
5月の時点で,集落の統廃合案に関する議論が行われたが,離島・半島における集落では,集落統廃合に伴う地区別での既存の漁業権の変化を懸念し,統廃合・集約化に反対する意向が示された.短期間で漁業権に関する議論を進める事は難しく,結果的には集落の統廃合案は途中で取り下げられた.マスコミ等外部の報道では,集落集約や高台移転が混同する形で取り上げられた.現状では,集落集約に対して地域の関心,反発が非常に強かったのにもかかわらず,報道では高台移転に対して反発が大きいように捉えられた.また復興計画の内容が地域の関心とは異なる形で報道される傾向がみられた.女川町では,住民による産業の再建・維持に関心が高く,今後は集落の存続に向けて,住宅再建や移転先等の課題の他にも,産業に関する議論を深めていく事が求められている.
公聴会では,住民の多くが応急的な避難生活が続いている事を踏まえ,中・長期的な復興計画について議論・検討を行うにあたって難しい部分があった.復興計画に並行して,被災者個々の短期的な生活再建の見通しを示すことも必要である.ちなみに満潮・高潮時には,震災で地盤沈下した地域において浸水・内水氾濫等が生じる状況が今でもあり,本格的復興に入る前の基盤となる復旧を住民が実感できるように進める事が求められている.一方,女川町では浸水から逃れた地域が非常に限られており,仮設住宅を建設するために確保された平地が不十分であったため,町外避難をせざるを得ない状況が多く発生した(石巻市の応急仮設住宅や仙台市等の民間借り上げ住宅等).ここでは,震災による1割近い死亡率や震災前からの高齢化に加え,町外での避難生活の長期化の可能性等,人口減少に関する課題を踏まえた長期的復興計画の必要性が感じられる.しかし,現状では上記の課題がほとんど考慮されないままに,震災前の人口約1万人ベースでの復興計画が進められており,今後の人口のギャップに応じて,定期的に復興計画を見直す必要があると考えられる.
そして集落再建のために,住民自身が新潟県中越地震に伴う集団移転で建設された復興公営住宅等を自主的に視察する事例が紹介された.住民自体が自主的に過去の復興過程の実績から学ぼうとしている取り組みは魅力的であるが,女川町の仮設住宅にて行われた視察報告会には,町役場職員が参加できなかった事等が懸念される.
再建に向けてのその他の課題としては,小さな集落であるにもかかわらず被災者の分散居住・避難生活による情報共有の困難性,従来からある町内会・自治会組織と震災復興組織の関係が明確化していない事例がみられること,災害危険区域・建築制限区域の設定に対する漁業関係者及び水産加工業関係者,その他の職業従事者との考え方の違い,そして世帯内(世帯主及び配偶者,子育て世帯等)における移転先についての意思決定の難しさ等が挙げられた.
復興計画実施に関する人的資源・技術的な手法の面では,ゾーニング等面的整備に関する技術的支援体制が,阪神・淡路大震災自治体職員やUR都市機構等,大都市圏の整備に関する知見を持つ人材から構成されていることから,集落の漁業・水産加工業を計画へ十分に考慮できるか懸念される.町役場の産業系職員や地域産業に詳しい専門家などの関与の必要性が挙げられた.また,復興計画策定過程では庁内担当部局(復興対策室)が一手に担う形となり,他の部局はあまり関与した形跡がうかがえないと考えられる(庁内横断的なワーキング・グループの立ち上げなどにより役場職員が全庁的に促進を把握し,問題共有,対応できる仕組みが不足であった).
さらなる復興計画の具体的な実施に向けた課題として,離島・半島等の小規模集落における高台移転のイメージについて,行政と住民とでは異なる可能性がある事(公聴会では復興計画の文言について議論を行ったものの,図面に関する検討は少なかった事もあり,また,平面上の場所は合意がとれたとしても,造成方法次第では大きな反発を招く可能性がある),女川原子力発電所との関係に関する議論が今後求められること,土地利用の整備や役割分担に関する地域を全体的に捉える視点の希薄化(省庁間の調整はほとんど行われずに町など現地で説明・提案が行われた)等が挙げられた.

<第156回オープンゼミナール>
日時:2011年12月17日(土)14:00~17:00
場所: 神戸大学工学研究科 C1-301
内容:
①東日本大震災における被災者の生活再建や地域復興に関する調査報告
神戸大学都市安全研究センター特任講師 林大造
②宮城県女川町における復興計画策定について
新潟大学災 害・復興科学研究所 特任准教授 福留邦洋
参加者:26人 (北後)

【第155回】2011/11/26 ①福島県における広域避難者の現状と支援に向けて | 丹波史紀(福島大学災害復興研究所准教授)

福島の実状をより明確に知ってもらい、支援につなげればと存じます。先日の災害復興学会での丹波先生の発表は、その翌日の神戸新聞で紹介されました

<報告の概要>
福島県では、原発事故により県内外で約15万人が避難生活をしており、そのうち県外避難者が5万8千人以上(当初3万6千人)である。県内避難者の場合、支援は仮設住宅に居住する避難者に対しては行われているが、民間借上げ住宅に居住する避難者への支援が手薄である課題が指摘された。県外避難者の場合は、就労・子育て・健康・情報の面でさらに困難を極めている実態がある。6~7月に実施した東京に避難した避難者へのアンケート調査(回答者数は約200世帯)では、半数以上がふるさとへ帰りたいと思っている事や、夫だけが福島県に残るという、母子避難に伴った二重生活の困難さが把握されている。9月に実施した福島県双葉地方8町村(全域が避難指示圏)の全世帯調査では、若い子育て世代の場合、半数以上が被災地に戻らない意向を示し、高齢世代になるに従い元の地域に戻りたいと考える割合が増える。放射性物質の影響への不安や避難の期間がわからず今後の住居・移動先の目処がたたないために、今後の生活再建が困難となっている実態が報告された。今後の災害復興に向けては、なによりも人びとのくらしが再建できることが必要であり、今後のフェーズとしては仕事づくり・雇用対策が重要である。また、離れる人・とどまる人のそれぞれの「選択」を尊重し、ふるさとに戻ることができる条件を取り戻す努力により原発事故からの再生をはかるべきである。


第155回 オープンゼミナール

【第155回】2011/11/26 ②岩手県大船渡市における復興計画策定について | 塩崎賢明(神戸大学工学研究科建築学専攻教授)

大船渡市の復興計画策定委員会での検討状況、各側面から考えた復興のあり 方等について報告していただきました。

<報告の概要>
能登半島地震の復興では、限られた生活再建支援金に諸補助金が積み上げられ、自力再建が進み、公営住宅希望者が減った事例があるが、東日本大震災の被災地では支援金がどこまで積み上がるかが課題である。一方、岩手県の住田町や福島県会津地方での現地調査では,長期的生活及び移築・増改築を想定した優良な木造仮設住宅の事例が見られた。能登半島や東北の木造住宅の実績を踏まえ、今後、仮設から恒久住宅への連続復興を目指すべきであり、その際、災害救助法適用による自力仮設住宅支援をはじめ自力再建支援を基本とし、復興公営住宅はそれを補うものとして計画・設計・入居方法に細心の注意が必要である。大船渡市の復興計画については、津波により流出した世帯では津波からの安全を希求して多くの住民が高台移転を希望しており、津波シミュレーションに基づく評価を援用した防波堤・防潮堤・2線堤による多重防御計画、盛土、高台移転、平地の土地利用制限などによる安全確保を考慮した復興まちづくりの大枠が検討された。個々の地域・集落では、それぞれで計画づくりができる体制になっているか、合意形成の仕組みが重要であるが、今後、様々な合意形成の仕組みでそれぞれの条件に応じて復興まちづくりの実施方法が具体化され決定されて行くであろう。農地・宅地の土地利用再編の規制緩和や津波防災地域づくり法案等、従来では出来なかった制度が復興まちづくりに活用されることになるが、高台移転で仕事ができるか、雇用はあるか、漁港集約化、漁業特区の問題、個人の住宅再建資金、移転後の住宅地にサステイナビリティはあるか、人口減少傾向によるインフラの管理費負担問題等、合意形成に際しての検討課題は多い。


第155回 オープンゼミナール

【第154回】2011/10/1 ①東日本大震災における被災者支援法制の運用と課題 | 山崎栄一(大分大学教育福祉科学部准教授)、田中健一(神戸大学大学院工学研究科博士後期課程)

東日本大震災は、これまでとは異なる未曾有の超広域かつ複合的な災害であった。このたびの大震災は、全国に被災者が避難していることもあり、被 災地であろうとなかろうと、全国的に被災者の生活再建支援の現実やあり方を考えさせられるきっかけとなっている。単に、自らの地域が被災したときに備える のではなく、いつでも他の地域の被災者を効果的に支援することができるように、平常時から災害時における支援に関する知識を身につけておく必要性がある。
今回のゼミナールにおいて、被災者の生活再建に関する法制度について概観してもらうことで、そういった知識や問題意識を身につけるきっかけにしていただければ幸甚である。



第152回 RCUSSオープンゼミナール

【第154回】2011/10/1 ②東日本大震災における災害法制の課題 -被災者支援と復興の調和へ向けて | 金子由芳(神戸大学大学院国際協力研究科教授)

「災害法制は従来、被災者支援法制と復興段階の法制とに分け、別個に論じられて きた。しかし東日本大震災においては、津波災害の特色ともいうべく、 復興計画の策定・実施に長期間を要すること、またその間に、広大な浸水危険地域を対 象として経済活動の制限ないし自粛が不可避であることから、その長期に わ たって生計の糧を失う生業被災者の支援が必須の課題となっている。つまり被災者支援と復興との同時平行が求められ、その相互調整が制度設計の課 題であ る。しかるに様々な事情でこの調整は暗礁に乗り上げている。一つは現行制度 上、被災者支援は都道府県が、復興は被災市町村が担う分離構造ゆえに、生業被 災 者の支援がどちらからも取りこぼれる傾向がある。つまり県の被災者支援は 復興段階に入るや保健福祉など狭義の生存権保障に特化しつつあり、生業支援は 復興過程の経済活動の制限・自粛に伴う「補償」の問題だとして、市町村任せの マインドが働こう。逆に市町村からすれば、復興計画があろうとなかろうと被災 者は生業を流失したのだから「補償」の問題ではなく、「支援」の問題 である として県に委ねるマインドが働 く。背後には復興財源の問題がある。この県と 市町村との所管の谷間で、中小企業庁・水産庁等による産業振興施策が埋め合わ せを図っているが、真に 困窮する零細事業者には届いていない。本報告は、 岩 手県沿岸被災地における聴取り調査に基づき、このような津波災害特有の支援 と復興の調整問題を読み解くことを試みる。」 (金子由芳)


第152回 RCUSSオープンゼミナール

【第153回】2011/8/20 東日本大震災関連:①原子力災害からの避難状況(西野智研)、②地震火災の傾向 (岩見達也)、③救急活動の課題(久保田勝明)、④高層集合住宅の被害(村田明子)、⑤住宅再建課題(越山健治)、⑥復興の課題 (室崎益輝)

第153回 RCUSSオープンゼミナール
(参加無料、申し込み不要)
  • 日時:2011年8月20日(土)14:00~17:00
    ※いつもとは時間帯・開催場所が異なります
  • 場所:神戸大学 神大会館六甲ホール
    市バス36系統 神大文理農学部前下車、南へ徒歩5分)
  • 司会:神戸大学都市安全研究センター 北後明彦)
  • 内容:
    • ①原子力災害からの避難状況とその課題
      西野智研(神戸大学大学院工学研究科建築学専攻) 
    • ②東日本大震災における地震火災の傾向
      岩見達也(国土交通省国土技術政策総合研究所) 
    • ③東日本大震災等における救急活動の課題およびその対策
      久保田勝明(消防庁消防技術政策室)
    • ④東日本大震災における高層集合住宅の被害とその課題
      村田明子(清水建設技術研究所) 
    • ⑤東日本大震災が抱える住宅再建課題
      越山健治(関西大学社会安全学部)
    • ⑥東日本大震災における復興の課題
      室崎益輝(関西学院大学災害復興制度研究所) 
  • 参加者:67名 (北後)
上記のオープンゼミナール終了後、下記の交流会を有志で行います。上記発表者 との交流などに活用していただければ幸いです。この交流会に参加を希望される場合に限り、準備の都合上、参加ご希望をお知ら せください。
  • 日時: 2011年8月20日(土)午後5時30分~7時30分
  • 場所: 神戸大学 瀧川会館1階食堂(会費は3千円を予定)
    (上記六甲ホールのすぐ近くです。)
  • 交流会申し込み先:北後研究室事務補佐員
    壁井mikakabei (at) port.kobe-u.ac.jp

【第152回】2011/7/15 ①東北地方太平洋沖地震津波に関する現地調査報告 | 高橋智幸(関西大学社会安全学部教授)


2011年3月11日,三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の地震が発生した.こ の地震により引き起こされた津波は太平洋沿岸に来襲し, 死者・行方不明者2万 4千人を超える甚大な被害を与えた.被災地の復興計画や今後の防災計画,さら に他地域における想定津波の見直し等に資するこ とを目的として,合同調査グ ループにより津波災害に関する現地調査を実施した.調査結果から判明した津波 の特徴と今後の津波防災に関する考察を報 告する.



第152回 RCUSSオープンゼミナール

  • 日時:2011年7月15日(金)18:30~20:30
    いつもとは時間帯、教室が異なります。土曜日には参加できなかった方々の参加もお待ちいたします。
  • 場所:神戸大学 工学研究科 C3-302
  • 内容:
    • ①東北地方太平洋沖地震津波に関する現地調査報告
      高橋智幸 関西大学社会安全学部教授  
    • ②東日本大震災での仙台市内の宅地被災
      沖村孝 神戸大学名誉教授、(財)建設工学研究所常務理事 
  • 備考:
    • 参加者 26名


【第152回】2011/7/15 ②東日本大震災での仙台市内の宅地被災 | 沖村孝(神戸大学名誉教授、(財)建設工学研究所常務理事)


仙台市内の盛土宅地は、1978年の宮城県沖地震でも大きな被災を受けている。 この事例は、宅地が地震により大きな被災を受けた最初の事例で あった。この 被災の復旧のために多くの対策が採られてきたが、今回の地震でも一部に再度被 災を受けた。それ以外の宅地でも、盛土や宅地周辺の自然 斜面の崩壊により被 災が発生した。その概要を紹介するとともに、復旧に必要な行政側や個人の対応 を、阪神・淡路大震災の事例をもとに紹介するとと もに、今後の地震時の宅地 防災の備えについて考える。



第152回 RCUSSオープンゼミナール

  • 日時:2011年7月15日(金)18:30~20:30
    いつもとは時間帯、教室が異なります。土曜日には参加できなかった方々の参加もお待ちいたします。
  • 場所:神戸大学 工学研究科 C3-302
  • 内容:
    • ①東北地方太平洋沖地震津波に関する現地調査報告
      高橋智幸 関西大学社会安全学部教授  
    • ②東日本大震災での仙台市内の宅地被災
      沖村孝 神戸大学名誉教授、(財)建設工学研究所常務理事 
  • 備考:
    • 参加者 26名

【第151回】2011/6/25 ①復興都市計画について-釜石市を事例として | 平山洋介(神戸大学大学院人間発達環境学科 教授)


震災復興の最大の課題の一つは、住宅・復興である。これに関して、阪神・淡 路まちづくり支援機構、東京大学社会科学研究所の有志メンバーによる 釜石市調査に参加した。まだ分かっていないことが多いが、調査結果をもとにして、阪神・淡路大震災での経験との比較をまじえ、住宅・都市復興の実 態と展望につ いて報告した。議論のポイントは、①住宅・都市被害の状況、②復興都市計画の推 移と特徴、③住宅復興政策の展望、等である。



第151回 RCUSSオープンゼミナール
※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第5回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました

【第151回】2011/6/25 ②東日本大震災の地震の概要と津波波高分布について | 吉岡祥一(神戸大学都市安全研究センター 教授)

東北地方太平洋沖地震が発生してから3ヶ月が経過した。ここでは、理学的見地から、これまでに得られた研究成果に基づいて、なぜ同地震は想定外 の地震 だったのか、震源域で何が起こったのか、また現在何が起こっているのかなど、 同地震の概要について講演する。また、講演者らが行った現地で の津波の波高 分布の調査や解析結果、津波の数値シミュレーション例についても紹介した。


第151回 RCUSSオープンゼミナール
※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第5回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました

【第151回】2011/6/25 ③高所への避難でいのちを守る-現地聞き取り調査からの考察 | 林能成(関西大学社会安全学部 准教授)

東日本大震災による市町村毎の死者・行方不明者率はもっとも高い宮城県女川 町や岩手県陸前高田市などでは10%を越えている。これを阪神・淡路 大震災と比 較すると死亡率最も高かった神戸市東灘区でも0.8%であり、今回の災害がまさに 桁違いの大きさであることがわかる。繰り返し報道され ているように、今回の 震災における死者・行方不明者の多くは津波災害によるものである。地震が起き てから津波が襲来するまでの20~60分間を、 生き延びた人々はいかに有効に活 用したのかを知ることは今後の津波防災対策を考える上で極めて重要なこととな る。このような観点から津波避難につ いての聞き取り調査を行ったので、その 暫定的な結果を報告し「迅速な高所への避難」には何が重要であるかについて考 察した。



第151回 RCUSSオープンゼミナール
※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第5回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました

【第151回】2011/6/25 ④地震動および津波による建築構造物の被害 | 藤永隆(神戸大学都市安全研究センター准教授)


東北地方太平洋沖地震での,地震動による構造物の被害,耐震補強された建物 の被害状況調査を行った。東北大学災害制御研究センター(DCRC) で地震記録 が観測された現場を中心に調査した。また,津波による被害を受けた地域におい て,津波による構造物の被害の調査も行った。地震動および 津波による構造物 の被害や得られた知見について報告を行った。


第151回 RCUSSオープンゼミナール
※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第5回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました

  • 日時 :2011年6月25日(土)14:00~17:00
  • 場所 :神戸大学 工学研究科 C1-301
  • 内容:

    • ①復興都市計画について-釜石市を事例として-
      平山洋介(神戸大学大学院人間発達環境学科 教授)
    • ②東日本大震災の地震の概要と津波波高分布について
      吉岡祥一(神戸大学都市安全研究センター 教授)
    • ③高所への避難でいのちを守る~現地聞き取り調査からの考察~
      林能成(関西大学社会安全学部 准教授)
    • ④地震動および津波による建築構造物の被害
      藤永隆(神戸大学都市安全研究センター准教授)

  • 参加者:35名

  • 【第150回】2011/5/28 ①保育所・小学校等における幼児・生徒の津波避難誘導 -事例発生箇所の確認を通じて | ピニェイロ・アベウ(神戸大学工学研究科建築学専攻院生)

    保育所,小学校からの幼児・生徒の避難がうまく行われた事例、困難な状況にあった事例を現場調査で得られた現場写真等の状況から考察した。うまく避難が行われた事例では、被災前に実施された避難訓練で生じた問題を重視し、避難用カートの配備、裏山への連絡通路の整備などを行って いたことが重要であると指摘した。(記録)


    第150回RCUSSオープンゼミナール
    ※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第3回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました

    【第150回】2011/5/28 ②津波火災発生状況と消火活動・避難行動調査報告 -岩手県山田町 船越 田の浜地区を事例として | 池之内裕子(神戸大学国際協力研究科院生)

    田の浜地区の高地移転した街区付近まで津波浸水域となったが、津波が引いた後,その浸水域の一番上側付近の3箇所から出火し延焼した。消火 活動は断水等により困難であった。そのうちの1箇所からは山林へも延焼した。林野火災は3日間続いた。その間,津波から避難していた人々は2 次避難,ヘリコプターによる3次避難という展開となった状況について報告した。(記録)



    第150回RCUSSオープンゼミナール
    ※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第3回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました

    【第150回】2011/5/28 ③福島原子力緊急避難における周辺自治体の対応プロセスについて -地震発生から一次避難まで | 西野智研(神戸大学工学研究科建築学専攻)

    地域防災計画に基づく行政として津波への避難対応、その後の原子力発電所の異常による避難指示の状況、避難手段の手配、避難ルートの設定、 避難先となる他市町での避難所開設要請の状況についての報告を行った。今後、住民の対応行動について調査をすすめるとともに、避難時間予測等の評価による避難路等の整備について課題を示した。(記録)



    第150回RCUSSオープンゼミナール
    ※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第3回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました

    【第150回】2011/5/28 ④避難所調査からみた生活復興のための被災地支援の課題 | 林大造(神戸大学都市安全研究センター)

    規模の大小、運営者の立場等々の違いで避難所間で生活状況が大きく異なっている状況が、宮城県・岩手県の5箇所の避難所調査から判明した。うまく運営できている避難所では結果的に東北地方特有の「番屋」の仕組みとなっているのではないかとの考察があった。(記録)



    第150回RCUSSオープンゼミナール
    ※神戸大学東日本大震災支援・調査活動報告会(第3回)として、神戸大学震災復興プラットフォームとの共催で実施されました

    【第149回】2011/4/16 被災地の住宅セーフティネットにおける「孤独死」の発生実態とその背景―阪神・淡路大震災の事例を通して | 田中正人(㈱都市調査計画事務所 代表取締役)

    阪神・淡路大震災の復興過程においては,仮設住宅・復興公営住宅あわせて1,000人近い入居者が「孤独死」を遂げたと言われる。ただ注意すべきは,問題の核心は「孤独な死」それ自体にあるのではないという点である。「孤独死」に至る以前の,誰からもアテンションを向けられない,よってその死を認める者もいない社会的に孤立した「孤独な生」,そこにこそ目を向ける必要がある。

    主要な論点は次の5つ。(1)被災地の復興の進展は,社会的な孤立の果ての「孤独死」を減じてきたか。(2)「孤独死」問題は高齢者問題に収斂するか。(3)「孤独死」は被災地に限った問題ではないと言い切ってよいか。(4)住宅・住環境の質とは無関係か。(5)見守り制度や交流促進プログラムは有効だったのか。

    我々の分析によれば,これらはいずれも支持されない。「孤独死」は復興とともに収束には向かわず,高齢化問題にも回収されない。被災地に固有の発生メカニズムが存在し,そこには仮設住宅や復興住宅の立地・空間特性が介在する。人的な支援には基礎的限界があることを認めざるを得ない。報告では以上の点に触れるとともに,若干の提言についても言及した。


    第149回RCUSSオープンゼミナール

    • 日時 :2011年4月16日(土)14:00~17:00
    • 場所 :神戸大学 工学研究科 C1-301
    • 参加者:24名
    • 内容:
      • ①被災地の住宅セーフティネットにおける「孤独死」の発生実態とその背景
        -阪神・淡路大震災の事例を通して-
        田中正人(株式会社 都市調査計画事務所 代表取締役)
      • ②被災者支援のコミュニケーション―「つぶやき」を受け止めること
        藤室玲治(神戸大学都市安全研究センター 学生ボランティア支援室 コーディネーター)

    【第149回】2011/4/16 被災者支援のコミュニケーション―「つぶやき」を受け止めること | 藤室玲治(神戸大学都市安全研究センター 学生ボランティア支援室 コーディネーター)


    のコミュニケーション―「つぶやき」を受け止めること
    (神戸大学都市安全研究センター 学生ボランティア支援室 コーディネーター)

    災害ボランティア(被災者支援)の本質は物資や労力の提供ではなくコ ミュニケーションである。なぜならば、被災して傷ついている人の真の ニーズ は、自分の状況(苦境)を他者に理解してもらうことであるからだ。被災者とボ ランティアがコミュニケーションを取る関係がまずあり、その上 で労力や物資 が提供されることで、被災者の尊厳を損なわずにニーズを満たすことができる。 このことを、阪神・淡路大震災の際のテント村や仮設住宅 でのボランティア活 動、能登半島地震以降の足湯ボランティア活動の実践から報告した。また平時に おける独居高齢者の孤独死予防(復興住宅での喫茶 活動や戸別訪問)や野宿者 支援(訪問活動や居宅移行後の居場所づくり)等においても同様の考え方が重要 であることにも触れた。


    第149回RCUSSオープンゼミナール

    • 日時 :2011年4月16日(土)14:00~17:00
    • 場所 :神戸大学 工学研究科 C1-301
    • 参加者:24名
    • 内容:
      • ①被災地の住宅セーフティネットにおける「孤独死」の発生実態とその背景
        -阪神・淡路大震災の事例を通して-
        田中正人(株式会社 都市調査計画事務所 代表取締役)
      • ②被災者支援のコミュニケーション―「つぶやき」を受け止めること
        藤室玲治(神戸大学都市安全研究センター 学生ボランティア支援室 コーディネーター)

    【第148回】2011/3/26 高層集合住宅における住民の交流意識と防災活動に関する研究 | 三田博貴(神戸大学工学研究科大学院生)


    近年,マンションはますます高層化しており,災害時の「高層難民」と いう新たな問題も指摘され、実際に現在東日本では計画停電の実施によ り、多 くの高層住宅において困難な生活を余儀なくされている事態となっている。本研究は、このような事態となる前に実施したものであるが、阪神・ 淡路大震災等 の経験により、災害時の住民同士による相互扶助が果たす役割は大きく、それに は日頃からのコミュニティ形成が重要な要素であったこと から、高層集合住宅 における「居住階での」住民交流に着目し、それらに影響を与えうる要素とし て、マンションが独自に作成している「行動マニュア ル」に焦点を当てる。そ れらを有するマンションを先進的事例として捉え、まずはその実態を調査し、現 状を把握することを目的とした。そして更に、 それらの活動がマンション内及 び居住階の住民交流に影響を及ぼすか否かを探り、その有効性を検討することを試みた。


    第148回RCUSSオープンゼミナール

    • 日時 :2011年3月26日(土)14:00~17:00
    • 場所 :神戸大学 工学研究科 C1-301
    • 参加者:14名
    • 内容:
      • ①住民参加型の花づくり活動による住宅地の防犯性能向上に関する研究
        長井宏祐(神戸大学工学研究科大学院生)
        樋野公宏(神戸大学都市安全研究センター客員准教授、建築研究所) 
      • ②高層集合住宅における住民の交流意識と防災活動に関する研究
        三田博貴(神戸大学工学研究科大学院生) 


    【第148回】2011/3/26 住民参加型の花づくり活動による住宅地の防犯性能向上に関する研究 | 長井宏祐(神戸大学)、樋野公宏(神戸大学)

    近年、防犯意識の高まりに伴い、各地で自主防犯団体の結成が相次いで います。しかし、それらの多くは活動者の高齢化・脱退,活動時間の限 界,特 定 の人への負担などの問題を抱えており、それを解決するため、樋野らによる 『見守りフラワーポット大作戦』が実施され、その効果が検証されてきてい ま す。本研究では、さらに地域特性毎の効果検証と、そこでの継続性を提案するため、神戸市内の2地域において『見守りフラワーポット大作戦』を実 施し、ア ンケート調査等を行いました。地域特性の違いによって、企画の効果の違いがあ らわれ、それに応じて継続的手法を提案する必要があること等 の調査・分析の結果を、本オープンゼミナールでは示しました。



    第148回RCUSSオープンゼミナール

    • 日時 :2011年3月26日(土)14:00~17:00
    • 場所 :神戸大学 工学研究科 C1-301
    • 参加者:14名
    • 内容:
      • ①住民参加型の花づくり活動による住宅地の防犯性能向上に関する研究
        長井宏祐(神戸大学工学研究科大学院生)
        樋野公宏(神戸大学都市安全研究センター客員准教授、建築研究所) 
      • ②高層集合住宅における住民の交流意識と防災活動に関する研究
        三田博貴(神戸大学工学研究科大学院生) 


    【第147回】2011/2/26 インドネシア・メラピ火山災害調査報告 (大石哲 | 神戸大学都市安全研究センター教授)

    インドネシア・ジャワ島中部に位置するメラピ火山(標高2965m)は世界でも有数の活動的な火山であり,記録に残る最も古い噴火は1006 年,16世紀以降は数年から数十年おきに溶岩ドームの成長と崩落が繰り返されてきた(井口,1995).その火山が2010年10月26日に噴火 を再開し,304名の死者(Jakarta Postによる)をだした.亡くなった方の中にはメラピ火山の守人として周囲の尊敬を集めていた長老マリジャン氏もいたことが,周囲の住民の不安を増幅さ せることにもなった.噴火が起こったのは,大石が火山災害後の土砂災害軽減プロジェクトの打合せのために,メラピ火山の近隣にあるジョグジャカルタのガジャマダ大学を来訪中でもあった.そのため,急遽,災害現場を簡単に調査するとともに,関連資料を収集した.本報告ではメラピ火山の噴火形 態,火砕流の流下メカニズム,当時の周囲の状況などについて報告した.


    第147回RCUSSオープンゼミナール

    【第147回】2011/2/26 水害後の訴訟回避に向けた地域リーダーの対応と役割 -行政と住民をつなぐコミュニケーション・ルールの検討-(柄谷友香 | 名城大学都市情報学部准教授)

    水害後,被災者と河川管理者の間で訴訟や対立が起こりやすい.しかし,生活再建を進めながらの訴訟は被災者の負担となり,生活再 建プロセスを左右しうる.本研究では,過去の水害訴訟の判決動向を整理し,住民にとっての水害訴訟の難しさについての考察が示された.また,2006年7月鹿児島県北部豪雨災害を対象とし,一部 の被災者が河川管理者の瑕疵と責任を追及する中,住民と行政の間を調整する地域リーダーの対応が円滑な地域再建 をもたらし,その後の協働川まちづくりに 導いたプロセスが示された.さらに,訴訟回避も含めた地域再建に向けた地域リーダーの役割と,行政・ 住民間の調整役としてのコミュニケーション・ ルールについて示された.


    第147回RCUSSオープンゼミナール

    【第147回】2011/2/26 インドネシアのメラピ山噴火-ジョグジャカルタの復興まちづくり-緊急報告 | 塩崎賢明(神戸大学大学院工学研究科建築学専攻教授)

    塩崎先生は、これまで地元のガジャマダ大学と連携して震災復興のための現地調査をかさねてきました。そこへ昨年10月26日メラピ山の噴火が起 こりました。塩崎先生は、神戸の震災復興研究の第一人者であり、災害と復興のあり方を通じて、人間の生活にとってなにが重要か、行政がなにをすれ ばよいのかを追求しています。このゼミナールでは、現地の近況を含めて、ジョグジャカルタ周辺のまちづくりの話しをしていただきました。


    第147回RCUSSオープンゼミナール

    【第146回】2011/1/22 関西国際空港の防火対策 -安心の創造のために- (山本信一 / 関西空港)

    関西国際空港は、わが国初の本格的24時間空港として、騒音等環境対策を重点的に考慮した、また、最新の技術の結集をした海上空港として、1994年9月4日にオープンしました。

    関西国際空港1期島には、511ヘクタールにもおよぶ広大な空港用地に、両翼1,660メートルにわたる旅客ターミナルビル、貨物ターミナルビルを中心に、およそ45棟におよぶ各種空港施設があります。旅客ターミナルビルは、1日の利用旅客者がピーク時8万人に達する大規模かつ最新鋭の都市機能を備えており、また、本土側と連絡橋一本で接続されている24時間空港の特殊性から、開港当時最新鋭の消防防災設備等が随所にわたって設置されており、その適切な運用と相まって高い水準の安全の維持が強く求められています。

    しかしながら、いくら最新の消防防災設備等を消防法・建築基準法等で備えてもそれは防火に対して必要条件であり、それだけでは火災を防ぐことはできません。十分条件としてやはりそれを活用する人(空港に勤務する従業員等)の防災行動力の向上が求められます。

    ところで、人間一般に見られる、時間の逓減とともに防災意識の逓減を巷間「防災意識逓減の法則」と呼ぶが、その対極にあるものを考えた時、おのずと「防災意識向上の法則」に思い至ります。ここでは、都市安全の観点から、関西国際空港の防火対策を推進し、実践のなかで見いだした防火防災の法則性について考察が示されました。また、副題に記した現大阪市消防局長岡武男氏の提唱した「安心の創造のために」という新たな理念が、日々の消防防災業務の推進にいかに役立っているかについても言及がありました。


    第146回RCUSSオープンゼミナール

    【第146回】2011/1/22 大規模イベントの高密度群集滞留の予見が出来なかった要因対策としての群集流動と警備対策に関する研究(貝辻正利 | 神戸大学工学研究科博士課程)

    明石大蔵海岸で開催された明石海峡世紀越えイベント「ジャパン・カウントダウン2001」で、会場と最寄りのJR朝霧駅を結ぶ朝霧歩道橋で雑踏事故寸前の高密度群集滞留が発生した。緊急警備措置の結果雑踏事故は回避されたが、この世紀越えイベントの約7ヶ月後に同じ場所で開催された明石市民夏まつりで歩道橋雑踏事故が発生している。そこで本研究は、世紀越えイベントの開催実態を分析することにより、高密度群集滞留の予見及び高密度群集滞留危機を回避出来なかった要因を明らかにすることを目的とする。

    分析の結果、歩道橋での高密度群集滞留を予見出来なかった要因は、イベント構成主体をはじめ警察、消防、行政が、安全対策に関する各種情報を共有し、開催現場実態に基く会場適正など、警備対策をイベント総合対策と位置付けた検討と危険抽出による危険認識を共有しなかったことが要因である。

    また、歩道橋での高密度群集滞留危機を回避出来なかった要因は、総合安全対策検討欠如等に起因する警備計画の検討不足、警備本部の機能不全及び警察との連携不足の可能性が大きい。しかし、早期に二次導線迂回措置や帰路一方通行を実施しても、歩道橋の目隠しなどの滞留防止措置がなかったため花火打ち上げ時の群集滞留と混雑範囲の拡大は回避出来なかったと推定される。


    第146回RCUSSオープンゼミナール


    次回のご案内

    <第241回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
    日 時:2018年1月26日(土)14時~17時
    場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
         開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員90名)
          神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740  
    MAP:http://open.kobe-u.rcuss-usm.jp/p/access.html
    司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦
    共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
    後 援:兵庫県
    内 容:
    ① ネパールにおける2015年ゴルカ地震の発生メカニズム、被害状況、及び、地震後対応の諸側面
    (Origin, Consequences, and Management Aspects of Gorkha Nepal Earthquake 2015)
     T. N. マッタライ  トリブワン大学地質学部教授、神戸大学都市安全研究センター客員教授
    ( Professor T. N. Bhattarai, Department of Geology, TribhuvanUniversity,Kathmandu,Nepal)

     2015年4月25日(土)午前11時56分に、破壊的な地震(Mw 7.8、深度8.2 km)がネパール西部を襲った。この地震で約9,000人の死者と約2,2300人の怪我人が出た。498,852戸の住宅が全壊、256,697戸が半壊となった。また、カトマンズ盆地とその周辺の745以上の歴史的な建築物や寺院が倒壊した。さらに、数千か所に渡って土砂災害が発生し、道路、居住地、住宅、学校、病院、及び、耕作地に重大な損傷を与えた。
     講演者のマッタライ教授は、現在、ネパールの地震後に設立された復興事業に責任を負う復興庁(NRA)の運営委員会メンバーである。この講演では、地震直後の被害状況の説明とその直後の対応から得られた教訓、及び、NRAが設立された後の復興事業の完了及び進行状況を示す。最後に、社会的及び技術的な問題点について議論をしたい。
    (On Saturday, 25 April 2015 at 11:56 local time, a destructive earthquake (Mw 7.8, hypocenter: 8.2km deep) struck western Nepal. The earthquake caused about 9000 casualties and 22,300 injuries. A total of 498,852 houses were fully collapsed and 256,697 houses were partly damaged. About 7,000 schools were collapsed. 745 monuments in and around the Kathmandu Valley were also damaged. In addition, thousands of landslides also occurred which significantly damaged highways, settlements, residential buildings, schools, hospitals, and cultivated lands.
     The presenter is currently serving as a member of Steering Committee of the National Reconstruction Authority (NRA), the sole responsible organization for all the post-earthquake reconstruction works in Nepal. The presentation gives an account of the challenges faced, and lesson learned immediately after the earthquake. It will then highlight the completed and on-going reconstruction activities undertaken by the NRA. The major social and technical issues being immersed will also discussed.)
    (①は、②のDr.T.N.Lohaniが日本語に訳します。)

    ② 2015年ゴルカ地震から分かる災害軽減策推進上の課題:発展途上国の現実は? 
      (Implementation challenges of disaster mitigation understood from 2015 Gorkha Earthquake: How different are the realities of developing countries?)
     Dr.T.N.Lohani 技術専門職員,都市安全研究センター技術専門職員

     自然災害は予めの情報を得て起こることはないと誰もがわかる。従って、どんなタイプ・スケールの災害にも対応できるように備えるしか選択肢がない。しかし、新たな対応への試みは追加的な財源が必要だが、発展途上国には財政上の限界がある。特に、開発途上国には最低のインフラとかも整ってない状態では、災害対策の準備は難しい。ネパールの場合でも、政府はかなり以前から5箇年の開発計画や10箇年の開発計画を作成してきているにもかかわらず、必要なインフラがまだできてない。2015年の地震でも、奥地への道路環境が悪いためアクセスしにくく、また、医療施設等の不備により、山間部の村での人的被害が増えたと言える。2015年の地震は、過去の発生傾向から見て近い将来に起こると専門家によって予測されていた地震に該当するが、この地震への準備が不十分だったことが被害規模から見てわかる。住宅・内政省内には救援活動について対応する組織があったが、災害対策サイクル全体を責任をもって対応する組織はありませんでした。では、このような欠点はすべて無くすことができるか?災害後の理想的な対応手順はどのようなものでしょうか? 2015年のゴルカ地震に関連する問題を中心に説明します。
    (Everybody knows that natural disasters do not occur with pre-information. So, there is no alternative of being prepared for any type of disaster. However, every new effort necessitates an additional budgetary requirement that developing countries are not always prepared with. In Nepal’s case too, there are enough reasons to say that difficulties in accessing remote sites due to poor road networks, poor health facilities had increased the human casualties figure although Nepalese government is preparing many 5-year and 10-year development plans since very long. The 2015 earthquake was an expected event by the experts on looking the past recurring interval but insufficient preparation can be understood from the large scale of earthquake damage. There was just a unit inside the Ministry of Housing and Internal Affairs (MoHA) to look on the relief works and no any responsible organization was working on disaster mitigation cycle as a whole. Can all such shortcomings be fulfilled? What could be the ideal aftermath scenario of disasters? Issues relevant with 2015 Gorkha Earthquake and Nepal will be covered.)


    今後の予定のご案内

    <第242回神戸大学RCUSSオープンゼミナール>
    日 時:2019年2月23日(土)14時~17時
    場 所:神戸市役所4号館(危機管理センター)1階会議室
         開場13時30分~ 先着順受付(無料、定員60名)
          神戸市中央区江戸町97-1 Tel.078-322-5740  
    司 会:神戸大学都市安全研究センター 教授 北後 明彦
    共 催:神戸市危機管理室、神戸市消防局
    後 援:兵庫県
    内 容:
    ① 液状化被害を知る・防ぐ
      -被害を受けやすい土地の見分け方と被害への備え-
     若松 加寿江 関東学院大学 防災・減災・復興学研究所研究員(元 理工学部教授)
     地盤の液状化による被害は、毎年のように日本のどこかで起きています。昨年9月の北海道の地震では、札幌市などのベットタウンで液状化が起こり、多数の住宅が被害を受けました。1995年の阪神・淡路大震災では神戸から大阪にかけての地域で液状化が広範囲に発生し、神戸港が壊滅的な被害を受けました。液状化は、急傾斜地で起きる土砂災害など異なり、脅威の対象が普段見えません。それだけに被災者にとっては「晴天の霹靂」の災害です。
     講演では、地盤が液状化するとどんな被害を受けるか、どんな土地が被害を受けやすいか、を解説すると共に、液状化被害を防ぐための対策や日頃の備えについてお話しします。


    ② 未定

    --------------------------------------------------------------------

    <申し訳ありませんが、1月、2月は日程変更となりました。場所は同じです。>
    ※上記以降は下記の日程・場所でオープンゼミナールを開催する予定です。

    ●2019年3月16日(土)14時~17時 神戸市役所4号館(危機管理センター)

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